1992 Fiscal Year Annual Research Report
高温構造材料の余寿命診断のための微小欠陥シミュレーション・ソフトウェアの開発
Project/Area Number |
03555015
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大谷 隆一 京都大学, 工学部, 教授 (50025946)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 明人 (財)電力中央研究所狛江研究所, FBR部, 室長
時政 勝行 住友金属工業(株)研究開発本部, 基盤技術研究部, 部長
北川 正樹 石川島播磨重工業(株)技術研究所, 構造材料部, 部長
多田 直哉 京都大学, 工学部, 助手 (70243053)
北村 隆行 京都大学, 工学部, 助教授 (20169882)
|
Keywords | 高温構造材料 / 余寿命診断 / 微小き裂 / シミュレーション / 逆解析的手法 / クリープ疲労 |
Research Abstract |
火力発電用ボイラー,タービン,航空機のジェットエンジン等に用いられている高温構造材料の健全性を精度良く評価することは、それらの機器を安全に運転する上で非常に重要なことである。そこで、本研究では、高温構造材料の寿命もしくは余寿命を正確に評価・推定するための検討を行った。得られた結果を以下に要約する。 1.クリープ疲労微小き裂の発生・伝ぱ挙動を予測するため、「粒界破壊抵抗分布モデル」に基づく数価シミュレーションを実施し、その予測結果から高温機器の余寿命を評価するシステムを開発した。 2.微小き裂の発生・伝ぱ数値シミュレーションの設定条件を観察結果(微小き裂の個数,長さ分布等)から算出する逆解析的手法を提案した。本手法により、実機の定期検査結果からシミュレーション条件を直接的に求めることができるようになり、余寿命評価システムでの数値シミュレーションの本格的利用が可能となった。 3既知のシミュレーション条件下で得られた微小き裂の分布に上記の逆解析的手法を適用し、予め設定したシミュレーション条件が再び得られることを確認した。これにより、本逆解析的手法の妥当性が示された。 4.余寿命診断システムの適用範囲および妥当性について検討するため、多軸負荷下あるいは超合金に発生する微小き裂のシミュレーション,従来の損傷力学に基づく余寿命評価方法、クリープ変形に関する解析結果との関連について考察した。
|
Research Products
(9 results)
-
[Publications] 大谷 隆一: "熱疲労に係わる高温強度の諸問題" 機械の研究. 44. 1109-1114 (1992)
-
[Publications] 大谷 隆一: "高温機器の強度特性" 日本機械学会講習会教材No.920-6. 1-10 (1992)
-
[Publications] Ryuichi Ohtani: "Cracking behaviour of heat-resisting steels,alloys and a carbon-fibre-re-inforced polymer at eleveted temperatures" Materials Science and Engineering. A143. 213-222 (1991)
-
[Publications] 大谷 隆一: "SUS304の時間依存性クリープ疲労巨視き裂伝ぱに及ぼす圧縮クリープの影響" 材料. 40. 1290-1296 (1991)
-
[Publications] 北村 隆行: "クリープ疲労微小き裂発生・成長の数値シミュレーションによる高温構造材料の余寿命診断方法" 日本機械学会論文集(A編). 57. 1732-1737 (1991)
-
[Publications] T.Kitamura: "Elastic-Plastic-Creep Interaction in Crack Propagation at Elevated Temperature" Trans.SMiRT-1. L. 181-186 (1991)
-
[Publications] 多田 直哉: "内部微小欠陥分布の逆解析による推定" 日本機械学会論文集(A編). 59. 381-386 (1993)
-
[Publications] 多田 直哉: "粒界き裂の発生と成長挙動の相違から見たクリープ疲労の破壊プロセスと寿命特性" 材料. 41. 1545-1550 (1992)
-
[Publications] 多田 直哉: "クリープ疲労き裂伝ぱにおける微視組織的微小き裂から力学的巨視き裂への遷移挙動" 材料. 41. 1165-1171 (1992)