1993 Fiscal Year Annual Research Report
高疲労強度・新アルミ複合合金の開発と超長寿命疲労特性解明に関する研究
Project/Area Number |
03555016
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村上 敬宣 九州大学, 工学部, 教授 (10038010)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 敏正 (株)神戸精鋼所, 軽合金伸銅事業部, 主任研究員
柳本 茂 (株)ショウティック, 鋳造部, 副主幹
北川 英司 (株)豊田自動織機, コンプレッサ事業部, 研究員
池田 勇人 (株)豊田自動織機, コンプレッサ事業部, 課長
鳥山 寿之 九州大学, 工学部, 助手 (30227681)
|
Keywords | 疲労 / 超長寿命 / アルミ複合合金 / 共晶シリコン / 極値統計 / ビッカース硬さ / 投影面積の平方根√area / せん断型疲労き裂 |
Research Abstract |
本年度は,種々の形態の共晶シリコンと基地強度を有するアルミ複合合金(連続鋳造材と押し出し材)の超長寿命疲労特性を系統的に調べ,S-N曲線とミクロ組織の関係を明らかにした.得られた結論は次のようにまとめられる. (1)アルミ複合合金の押し出し材では,寿命の長短で破壊機構に相違がみられる.N_f≦10^7程度ではシリコン相が破壊起点となり,N_f〓10^8では,基地組織から発生したせん断き裂が破壊起点になる. (2)連続鋳造材では,シリコン相は疲労破壊の起点とはならず,寿命の長短にかかわらず,せん断型の破壊となる. (3)押し出し材では,シリコン相が疲労破壊の起点となるので,N=10^7での疲労限度は最大シリコン寸法√area_<max>と基地組織のビッカース硬さH_vを用いて予測することができる.破壊起点のシリコン相の代表寸法√areaと破壊起点近傍の基地の硬さH_vを疲労限度の予測式に代入して求めた予測疲労限度は,実験値に対して妥当な値となった. (4)人口微小欠陥より発生したき裂は,N=10^8を越えた後の超長寿命領域において停留現象が現れる.N=10^8程度までは,微小欠陥から発生した微小き裂は,停留と伝ぱを繰り返しながらわずかに進展する.その後,き裂先端近傍の応力が新たなき裂を発生させるのに必要な大きさに満たなくなると完全な停留が起こると考える.
|