1991 Fiscal Year Annual Research Report
逆問題手法による経年劣化材の超音波非破壊損傷評価手法の開発
Project/Area Number |
03555018
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡村 弘之 東京大学, 工学部, 教授 (00010679)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 太刀雄 東京大学, 工学部, 助手 (10010852)
酒井 信介 東京大学, 工学部, 助教授 (80134469)
|
Keywords | 超音波測定 / 非破壊検査 / 寿命予測 / クリ-プ損傷 / 自動測定 / タ-ビンロ-タ / 超音波減衰 / ノイズエネルギ- |
Research Abstract |
本年度は、蒸気タ-ビンのロ-タ軸やブレ-ドに発生するクリ-プ波労損傷に注目し、その非破壊的検出に超音波法がどこまで適用できるのか、その適用限界について検討した。 システム開発に関しては、FFTアナライザ-を解析システムに組み込みリモ-ト操作を行うことによって、解析時間を大幅に短縮した。それにより、今後多くのデ-タベ-スを構築する際の省力化につながると考えられる。 クリ-プ試験片、クリ-プ疲労試験片を用いて寿命消費率と超音波パラメ-タ(減衰定数、ノイズエネルギ-、重心周波数の移動量)の関係を調べた。その結果、定数的には三つのパラメ-タが損傷量に対応づけられ、その中でも特に減衰定数が他のパラメ-タに優っていることを確認した。 超音波触子において、(1):より高周波のものを用いること(20MHz→50MHz)(2):表面近傍のある面に焦点を絞り、そこからの後方散乱波だけを観察する探触子を用いることによる有利性について考察した。その結果、(1):50MHz程度では高周波の効果は現れないこと(2):焦点型探触子は逆に不利であること、と考察することができた。しかし、(1):発信面と材料の間にディレイ材を挿入することによって表面での乱反射が抑えられ、後方散乱成分が精度良く捕まえられること(2):平行度の問題を解決すれば、表面直下のノイズ成分が強く測定できることが確認された。 実機適用の実験装置面からのアプロ-チとして、タ-ビンロ-タ孔超音波計測装置を作成し、実機測定実験を行った。そして、装置をさらに改善し、ノイズエネルギ-の栄験精度が改善されれば、ロ-タ孔表面の非破壊的損傷検出が可能であることが示唆された。
|