1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03555032
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小田 哲 鳥取大学, 工学部, 教授 (50032016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮近 幸逸 鳥取大学, 工学部, 助教授 (30157664)
小出 隆夫 鳥取大学, 工学部, 助教授 (60127446)
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Keywords | 歯車 / 真空 / 摩擦 / 摩耗 / 固体潤滑膜 / プラスチック / 低温 / 曲げ疲労強度 |
Research Abstract |
試作した真空用動力循環式歯車運転試験機を用いて,S45C歯車と固体潤滑焼成膜をコーティングしたSU440C(Mos_2)歯車およびプラスチック(ナイロン,ジュラコン)歯車に対して,大気および高真空(p=10^<-5>Torr)中で種々の運転条件下で運転試験を行い,これらの歯車の摩擦・摩耗特性について検討を加えるとともに,低温用歯車パルセータを用いて室温および低温(-60℃)下において浸炭焼入れ歯車に対してパルセータおよび衝撃試験を行って,低温下における浸炭焼入れ歯車の曲げ疲労・衝撃強度および曲げ疲労強度に及ぼす衝撃荷重の影響について明らかにした。 その結果,歯面の摩擦係数は,S45C歯車の場合には,大気中よりも高真空中の方が大きく,また回転速度の増加,ヘルツ応力の減少につれてわずかに増大する傾向を示すが,SUS440C(MoS_2)歯車およびジュラコン,ナイロン歯車の場合には,大気中に真空中ではほとんど変わらず,また回転速度,ヘルツ応力が変化してもあまり変わらないこと,摩減重量は,S45C歯車の場合には大気中よりも高真空中の方が小さいが,SUS440C(MoS_2)歯車の場合にはあまり変わらないことが明らかになった。また,低温下における浸炭焼入れ歯車の曲げ疲労強度は室温の場合よりも大きくなるが衝撃強度は逆に小さくなることおよび室温,低温下のいずれの場合も曲げ疲労強度はある一定の有効硬化層厚さ(Hv550に至るまでの表面からの距離)で極大値を示すのに対し,衝撃強度は硬化層厚さの増加につれて減少することが明らかになった。さらに,室温,低温下の曲げ疲労限度は,いずれも衝撃破壊限度荷重の80%以上の衝撃荷重を加えることによって低下することおよび同じ衝撃荷重を加えた場合の曲げ疲労限度は室温下よりも低温下の方が大きいが,その程度は衝撃荷重の増加につれて減少することが明らかになった。
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