1991 Fiscal Year Annual Research Report
機能性セラミック高周波沿面放電によるフロン除去方式の開発
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03555050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小田 哲治 東京大学, 工学部, 助教授 (90107532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 敏文 東京大学, 工学部, 教務職員
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Keywords | フロン分解 / 沿面放電 / 汚染ガス |
Research Abstract |
3ヶ年計画の初年度にあたる本年度は,セラミック反応器によるフロンの分解を試み,通常大気中に漏れた場合の濃度100ppm程度の汚染ガスではほぼ100%の分解除去が可能であること,高濃度(1万ppm)でも投入エネルギ-を増加させれば十分に分解できることを実験的に確証することができた。反応管の大きさ依存性についても調べたところ,沿面放電が有効に作用しているため,太いと中央部がデッドスペ-スとなって効率が低下すること等が判明した。一方,フロンの分解効率は純酸素ガスが一番悪く,大気中,更には純窒素ガス中で最も良く分解することが判明した。これは,放電によって形成される窒素ラジカルが分解反応に寄与した結果であると考えられるが確証は得られていない。この高周波沿面放電スペクトル観測も既に着手し,窒素の線スペクトルが同定されている。+1秒パルス電圧での分解テストについては,現在電源を試作中である。また,MOSFETを用いたより周波数の高い高周波電源の試作においても,出力kwオ-ダの増幅器は成功し,50kHz動作可能となったが,変圧器や負荷との整合に問題があり,総合的に優れた出力を得るまでにはいたっていない。一方,来年度の主要テ-マである分解生成物の同定に関しても,一部,他社設備によってGC-MS分析を行ってみた。現在,ほぼ100%分解したと思われる場合には大気成分以外特別なものは検出されておらず,有害な反応生成物はできないか,あるいは配管の途中でトラップされて検出されないものと考えられる。尚,他のガスでは,ガスクロ分析で既に空気以外のピ-クが観測されており,今後の分析結果に強い関心が寄せられている。
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[Publications] Tetsuji Oda et al: "Decomposition of Flnorocarbon Gaseous Contaminants by Suiface Discharge Induced Plasma Chemical Processing" Conf.Rec.of 1991 IEEE/IAS Aunual Meeting. vol.1. 734-739 (1991)
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[Publications] Tetsuji Oda et al: "Decomposition of Fluorocarbon Gaseous Contaminants by Suiface Discharge Induced Plasma Chemial R-ocessing by Using Cylindrical Ceramic Based-Reactor" Proc.of 4th Int.Conf.on Electrostatic Precipitation. 712-718 (1991)
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[Publications] 小田 哲治他: "高周波沿面放電セラミック反応器によるフロンの分解特性" 東京大学工学部総合試験所年報. 50. 61-66 (1991)
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[Publications] 小田 哲治他: "SPCPによるフロンの分解-その2-" 静電気学会講演論文集'91. 1-4 (1991)
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[Publications] 小田 哲治他: "高周波沿面放電のスペクトル解析" 静電気学会講演論文集'91. 123-126 (1991)