1991 Fiscal Year Annual Research Report
回転磁界を利用した相数変換変圧器の試作と実用化の検討
Project/Area Number |
03555052
|
Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
樋渡 勝 八戸工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (80042109)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 勇二 東北電力株式会社, 技術開発部, 次長
|
Keywords | 回転磁界 / 相数変換 / 変圧器 / 製作法 / 実用化 / 空間高調波 / 除去 |
Research Abstract |
回転磁界を利用した相数変換変圧器(回転磁界型相数変換変圧器)を工場での生産に適した工程で試作し,その特性を調べると共に,これを電力系統に応用した場合の電流波形の改善効果について検討を行った。以下に,試作器の設計仕様と,実験から得られた研究成果の概要を報告する。 1.試作器の設計仕様容量:0.5[KVA],周波数:50[Hz],極数:2,鉄心の溝数:30,相数:1次3相・2次15/30相,電圧:1次200[V]・2次24/12[V],結線:1次Y・2次5△/10△,空間高調波磁束除去巻線:第5調波除去巻線,用途:順変換回路や電力系統の多相化の実験。 2.製作方法について当初はけい素鋼板を4種類の形状に打ち抜き,2組づつ交互に積み重ねる必要があると考えていたが,2種類で等価な積み重ねができる形状があることが分かった。試作器はこの方法で製作した。 3.2次電圧波形について2次側を完全オ-プンにした場合の2次電圧波形の歪みは,鉄心の外形を正方形にした場合に限らず,ほぼ円形にした場合にも生じた。歪みの主な原因は,1次側の分布巻線が直列に接続されているためと考えられるが,分布巻線を並列に接続した場合の効果については平成4年度に調べる予定である。 4.電力系統に応用した場合の効果2次側に大きな歪電流負荷がかかった場合,多相化によって1次側の電流歪みは勿論減少するが,空間高調波磁束除去巻線には大きな電流歪みは低減作用があることが分かった。 5.励磁電流と鉄損について今回は適当な設計資料がなかったため,励磁電流と鉄損の見積りが大き過ぎ,試作器の負荷特性がよくなかった。しかし,鉄心を分割して製作しても励磁電流の増加も少ないので,回転磁界下の磁心特性を把握し,装荷分配を適切に行えば,実用に耐える機器の製作は十分に可能と考えられる。
|