Research Abstract |
昨年度は,順変換装置や電力系統の多相化を想定して,回転磁界を利用した相数変換変圧器(回転磁界型相数変換変圧器)を工場での生産に適した工程で試作し,その特性を調べると共に,これを電力系統に応用した場合の電流波形改善効果について検討を行った。今年度は,逆変換装置の多重化試験用の機器を,昨年度と同様な工程で試作すると共に,15相PAMインバータも製作し,30パルス3相多重インバータを構成して実験を行った。以下に試作器の仕様と特性,3相多重インバータの特性の概要について報告する。 1.試作した回転磁界型相数変換変圧器の仕様用途:逆変換装置の多重化試験用,容量:1.0[KVA],周波数:50[Hz],極数:2,溝数:30,相数:1次15/30相・2次3相,電圧:1次100/50[V]・2次400/200[V],結線:1次5△/10△・2次Y,第5空間高調波磁束除去巻線:3相・10極・二層・集中・全節・重ね巻,冷却方式:乾式自冷。なお,1次巻線,2次巻線とも二層・分布(集中)・短節(13/15),重ね巻とした。 2.試作した回転磁界型相数変換変圧器の特性1次を3相,2次を15/30相とした場合の特性は,励磁電流:定格電流の8.0〜8.6[%],鉄損:21[W],電圧変動率:6.1[%],効率:92.4[%],機器の全重量:20.5[Kg]であった。 3.30パルス3相多重インバータの構成回転磁界型相数変換変圧器の1次15/30相巻線に,15相PAMインバータの出力電圧を相順に印加し,2次3相巻線の誘起電圧波形を観測した。1次巻線の結線方法の相違により,2次電圧波形は若干異なったが,1次側を15相・単層・集中巻に結線した場合の出力波形が良好で,25[mH]のインダクタンスを通して抵抗負荷と接続した場合の電圧・電流波形は,歪率1.5[%]以下の正弦波であった。
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