1991 Fiscal Year Annual Research Report
磁壁の固着による磁化回転型超低損失アモルファス超薄帯.極細線新高周波磁心の開発
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03555063
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 二郎 九州工業大学, 工学部, 教授 (40108668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢 孝雄 東芝, 新素材応用研究所, 研究員
八木 正昭 宮城工業高等専門学校, 教授 (80005371)
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Keywords | 磁壁の固着 / 磁化回転 / アモルファス超薄帯 / アモルファス極細線 / 高周波磁心 |
Research Abstract |
アモルファス薄帯:厚み5μ以上のFe-Co-Cr-Si-Bアモルファス超薄帯の作成を試み,種々の熱処理を行い高周波用低損失,高透磁率コアの開発を進めた.その結果以下の諸項目が明らかになった. (1)Crを少量添加すると,軟質磁気特性の改善と極薄化の加工の両面で有効うである事が判った. (2)板厚5μm前後のアモルファス薄帯磁心の1MHzの磁心損失は,代表的な他の高周波磁心の30-40%の低い値である.また,1MHzで10000,10MHzで1000の高い透磁率が得られた. (3)幅方向熱処理は薄帯幅方向の磁区の細分化と磁壁の固着化によりMHz帯での透磁率の向上,磁心損失の低減に大きく寄与することが判った.得られた磁気特性の代表例は板厚4.7μmの磁心損失で,Bm=0.1Tの時,励磁周波数100kHzで0.13J/m^3,1MHzで0.86J/m^3であった. アモルファス細線:バンブ-磁区構造を有するCo基アモルファス細線の磁区構造を異方性の導入により固定するために,バンブ-磁区形成の機構および熱処理に伴う磁区構造の変化について実験を進めた.以下の諸点が明らかになった. (1)バンブ-磁区の形成は水中急冷により導入される放射方向の残留張力と負磁歪の磁気弾性効果による円周方向の磁気異方性による.円周方向異方性は細線の形状異方性と重畳してヘリカル異方性をうみだし,アモルファス細線は二重磁区構造を呈する. (2)350度,30台の熱処理で残留応方の約80%程が緩和する.このため,バンブ-磁区を維持しながら異方性を誘導するものは困難である.バンブ-磁区を固定化するためには,張力化アニ-ル等により,むしろ,応力の導入を図る必要がある. (3)(Fe.047Co.953)72.5Si12.5B15アモルファス細線の磁歪はアニ-ルによる構造緩和で,負から正に変化する.バンブ-磁区の固定のためにはCo濃度を高くする必要がある.
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Research Products
(2 results)