1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03555083
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋口 俊郎 東京大学, 工学部, 教授 (10111569)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢辺 雅二 株式会社ミツトヨ, 取締役研究開発本部副本部長, 副本部長
川勝 英樹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30224728)
|
Keywords | 走査型トンネル顕微鏡 / 測長 / 結晶格子 |
Research Abstract |
主要設備とその使用目的の説明を行う.平成4年度の主要設備は、コンピュータ、精密石定盤、ギャップセンサ、直流アンプであった.石定盤はSTMの設置用で、防振と温度変化の低減の為に用いる.コンピュータは、平成2年度以前に用いていたものが処理能力の点で最近のものに劣っているため購入した.これにより走査範囲の更なる拡大、走査時間の短縮、像のデータ処理に要する時間短縮を可能とする.制御回路とピエゾ素子駆動用アンプの見直しを前年度に引き続いて行い、いままでのユニバーサル基盤に代わって回路のパターン化を行う.ギャップセンサはSTM探針を試料に近接させるための粗動機構の動きを見るために用いる.以下にハードウエア面での改善点を列挙する。(1)回路の信頼性が増し、トンネルユニット2チャンネルのばらつきが抑えられた.(2)回路特性などが正確に把握され、今後の実験の追試性が確認された.(3)粗動位置決め機構の改善を行い、トンネル電流制御状態が容易に得られ、かつドリフトの小さい機構が得られた.上記のギャップセンサを用いることにより、トンネル状態を達成するまでの時間が1分程度となった.(4)ソフトウエアの改良とコンピュータの更新により、走査時間とデータ処理時間の短縮が可能となり、走査中の熱ドリフトの影響が低減された.以下に、新たに得られた知見に関して述べる.平成4年度は走査時間の短縮を目的としてコンピュータの更新、制御回路のフィルター特性の変更を行った.その結果、10ナノメータ四方のオーダの走査が比較的短時間に行えるようになった.平成3年度に行った2個の結晶像の比較実験を走査範囲を13ナノメータ四方に広げて行った.その結果、熱ドリフトとコサイン誤差の補正が比較測長精度の向上に有効であることを確認した.現在、補正後の誤差が結晶方位や測定を行う方向に依らず2パーセント程度であることを確認している.
|
Research Products
(1 results)