1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03555083
|
Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
樋口 俊郎 東京大学, 工学部, 教授 (10111569)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢辺 雅二 (株)ミツトヨ, 研究開発本部, 副本部長
川勝 英樹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30224728)
|
Keywords | 測長 / 計量 / STM / ナノテクノロジー / 結晶 |
Research Abstract |
本研究の目的は、結晶格子と走査型トンネル顕微鏡(scanning tunneling microscope,STM)を用いることにより、結晶格子を基準とした2次元測長を行うことにある。そのために、研究者らは、トンネルユニットを2個有するSTMを作製した。これにより、一方のトンネルユニットで任意の試料を、もう一方で基準となる結晶格子を観察することが可能となった。現在、この測長方法の精度を検証する目的で、2個のトンネルユニットで黒鉛結晶を同時に観察し、得られる像の一致度を調べている。現在、約150ナノメートルの測定範囲で、99.98±0.033%の一致を確認している。現在は、絶対精度の検証は行っていないが、高い再現性と一致度の高さから、良い絶対精度が得られることが期待される。結晶の周期性をソフトウエアで抽出することにも成功しており、近い将来、数μm程度の大きさの試料を結晶格子を基準として測定できる、自動化されたシステムの実現が可能となると考えられる。 比較測長の研究と並行して、結晶格子を基準とした位置決め機構の開発も行った。この研究では、結晶表面の原子オーダの傾きを求めるために結晶を固定したxyステージに数10pmの微小なディザ振動を加え、ロックイン技術を用いた。これにより、結晶表面の微分像を得ることが可能となった。微分像のゼロ値は結晶像の凸部もしくは凹部に相当するため、微分値をxyスキャナに帰還させることによって結晶格子を基準とした歩進動作や、結晶中の原子1個と探針を長時間位置決めさせ続けることに成功した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] H.Kawakatsu,and T.Higuchi: "A dual tunneling-unit scanning tunneling microscope" J.Vac.Sci.Technol.A8. 319-323 (1990)
-
[Publications] H.Kawakatsu,T.Higuchi,Y.Hoshi,and H.Kitano: "Crystalline lattice for metrological applications and positioning control by a dual tunneling-unit scanning tunneling microscope" J.Vac.Sci.Technol.B9. 651-654 (1991)
-
[Publications] H.Kawakatsu,T.Higuchi,H.Kougami,M.Kawai,M.Watanabe,Y.Hoshi,and N.Nishioki: "Comparison measurement in the hundred nanometer range with a crystalline Lattice using a dual tunneling-unit scanning tunneling microscope." J.Vac.Sci.Technol.(to be published). (1994)