1992 Fiscal Year Annual Research Report
温度ひびわれを有する鉄筋コンクリート部材の断面設計法
Project/Area Number |
03555105
|
Research Institution | UTSUNOMIYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 良一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (20016702)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十河 茂幸 株式会社大林組, 技術研究所, 主任研究員
氏家 勲 宇都宮大学, 工学部, 助手 (90143669)
|
Keywords | 温度応力 / 自由曲げ変形 / 変形拘束モーメント / ひびわれ幅 / 鉄筋応力度 / 降伏耐力 / 設計法 |
Research Abstract |
本研究は水和熱に起因する温度応力と外荷重を同じ方向に受けるマッシブなRC構造物の断面設計法の確立に資することを目的として、拘束体および被拘束体からなる温度ひびわれを有するRC梁の載荷実験を実施して、荷重とひびわれ幅、鉄筋応力度、降伏耐力および曲げ耐力等の関係に及ぼす温度応力の影響を、温度応力を受けていない部材の載荷実験結果や通常のRC理論による値と関連づけて検討し、この種構造部材の断面設計法の提案を行う。平成4年度に得られた結果をまとめると以下のとおりである。 1.本研究で開発した実構造物の温度応力を再現できる実験方法により温度応力による自由曲げ変形を計測することが出来た。また、その自由変形を断面内のひずみの直線性を仮定した上で、温度履歴に応じた物性値、経時変化する線膨張係数とクリープ係数を取り入れることによりある程度の精度で予測することが出来た。 2.温度応力を受けたRC部材の降伏耐力は通常のRC部材に比べて被拘束体の鉄筋比で2.29%の場合約15%、鉄筋比0.34%の場合約30%低下した。また、鉄筋降伏時のひびわれ幅においても温度応力を受けたものは鉄筋比2.29%の場合は通常のRC部材の約1.4倍、鉄筋比0.34%の場合は約2.0倍大きくなり、温度応力と同じ方向に作用する外荷重によるひびわれ幅、鉄筋応力度、降伏耐力に温度応力の影響が明確に認められた。 温度応力により生じたひびわれ幅や鉄筋応力度は外荷重の増加と共に減少する。この減少する温度応力の影響の程度は温度応力の有無に関係しない曲げ剛性、自由曲げ変形、拘束度から評価することができ、変形拘束モーメントとして取り出せる。この変形拘束モーメントによる鉄筋応力度やひびわれ幅を外力の増加に伴って減少する曲げ剛性を用いて評価し、これに基づいて水和熱および外荷重を受けるRC曲げ部材の断面設計法を提示する。
|
-
[Publications] 佐藤 良一: "温度ひびわれを有するRC部材の鉄筋応力度とひびわれ挙動" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.14. 1137-1142 (1992)
-
[Publications] Ujike Isao: "Properties of Bond at Early Ages" Proc.of International Conference on Bond in Concrete. Vol.2. 6-11-6-20 (1992)
-
[Publications] 伏見 聡: "水和熱がRC部材の変形と力学性状に及ぼす影響に関する考察" コンクリート工学年次論文報告集. Vol.15. (1993)