1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03555113
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 忠晴 東北大学, 工学部, 教授 (50159696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 武弘 (株)日本無線, 次長
首藤 伸夫 東北大学, 工学部, 教授 (90055137)
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Keywords | レーダー / 降雨観測 / 降雪観測 / キャリブレーション |
Research Abstract |
今年度は、昨年度製作したレーダーを用いて現地観測を行い、降雨及び降雪観測への適用性を検討した。 7月から8月にかけて、岩手県雫石町において降雨観測を行った。町立上長山小学校をレーダーサイトレし、北向きに観測線を設定し、線上の5地点に0.5mm転倒マス式雨量計を設置した。レーダーは、この測線上で鉛直に回転させた。これらのデーターを用いてレーダーのキャリプレーションを行うにあたり、以下の3点に留意した。(1)本機はメバンドレーダーであるので、電波減衰率を考慮したキャリブレーションを行うこと。(2)降雨の時間変動を考慮し、地上雨量計の時間分解能を上げ、なるべく短時間の降雨でキャリブレーションすること。(3)レーダーと地上雨量計の時間対応を正確にするため、雨粒の落下時間を考慮すること。その結果、電波減衰率と電波反射率と降雨強度の間に有意な相関が得られた。そこで、キャリブレーションに使用しなかった変動性の降雨を検証データーとして降雨量の算定を行ったところ、妥当な結果が得られた。 1月から2月にかけて、岩手県沢内村において降雪観測を行った。村立雪国文化研究所をレーダーサイトとし、冬季の卓越風向である南西方向に観測線を配置した。降雪強度をレーダーサイトで観測し、レーダーエコーとの相関を調べた。まず降雪の落下時間を考慮して、レーダーエコー強度と1時間積雪量の対応を検討したところ、両者の間に相関を確認した。しかし、相関係数はあまり高くなかった。この原因は降雪の時間変動性にあると考えられた。そこで、レーダーサイトで降雪の短時間変動状況を克明にメモし、レーダーエコーとの対応を調べたところ、降雪群が空間を移動する様子がきれいに再現された。以上から、定量的には未確認ながら、本レーダーが降雪観測に充分適応していることが明らかとされた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小沢 康彦、石川 忠晴 伊勢 正、吉田 武弘: "Xバンド小型降雨レーダーのキャリブレーション" 土木学会東北支部技術研究発表会講演概要集. 平成4年度版. 70-71 (1993)
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[Publications] 伊勢 正、石川 忠晴 西岡 正訓、山路 弘人 吉田 武弘: "Xバンドレーダーによる空中雪密度の観測" 土木学会東北支部技術研究発表会講演概要集. 平成4年度版. 72-73 (1993)