1991 Fiscal Year Annual Research Report
人工知能概念を用いた治水用貯水池操作のエキスパ-ト化に関する研究
Project/Area Number |
03555116
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小尻 利治 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00026353)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 陸世 日本気象協会, 気象本部, 室長
堀 智晴 京都大学, 工学部, 助手 (20190225)
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
|
Keywords | 貯水池操作 / 治水操作 / ファジィ推論 / パタ-ン分類 / エキスパ-トシステム / オブジェクト指向 |
Research Abstract |
本年の主要課題は、(1)パタ-ン認識による気象・水文情報の分類、(2)流出・流下誤差を含んだ知識ベ-スの作成、(3)降雨・流量の予報・予測精度を孝慮した推論気候、(4)ファジイ理論によるル-ルベ-スの作成、(5)分散協調型プログラムの開発、(6)会話型貯水池操作で、ある。 まず、課題(1)については、ISODATA手法やソフトクラスタリング手法を導入して、台風経路の分類とその中での降雨・流量系列の分類を行った。こうした代表パタ-ンと現況との類似性評価を行い、貯水池操作への予測情報とした。課題(2)については、カルマン・フィルタ-を用いた流量予測を行ったが、実時間操作に組み入れるまでにはなっていない。課題(3)については、台風、流量、ハイドログラフ、貯水量に天気予報を加えたものを実時間操作因子として、DPによる最適操作を知識ベ-スとするエキスパ-トシステムを構成した。課題(4)については、放流量を推論する際に、ファジイ理論を用いて推論を行った。このメンバ-シップ関数のパラメ-タは、最急降下法に基づく最適値を採用している。課題(5)については、オブジェクト指向言語であるTUORB C++上でのプログラム開発を行った。パ-ソナルコンピュ-タではやはりメモリオ-バ-が発生しており、一層深いオブジェクト化やワ-クステ-ションへの移植も図りたい。課題(6)については、やはり、TOUBO C++のグラフィック環境を利用し、貯水池の現状、今後の予測、放流量決定、決定までの指向過程、が理解できるような画面を作成した。 次年度は、今年度の成果を基に研究課題の達成を図りたい。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 小尻 利治: "ソフトクラスタリングを用いたダム貯水池の実時間操作" 日本ファジイ学会第7回ファジイシステムシンポジウム. 643-646 (1991)
-
[Publications] 小尻 利治: "台風経路を考慮した知識ベ-ス型貯水池操作" 水文・水資源学会1991年研究発表会要旨集. 58-61 (1991)
-
[Publications] 小尻 利治: "台風時天気図の類似性評価と降雨量の推定" 水文・水資源学会1991年研究発表会要旨集. 110-113 (1991)
-
[Publications] 大石 哲: "定性的推論を用いた実時間洪水制御支援システムの開発" 土木学会第46回年次学術講演会講演概要集II. 276-277 (1991)
-
[Publications] 石塚 吾歩路: "洪水時における貯水池操作支援システムの開発" 土木学会中部支部平成3年度研究発表会講演概要集. (1992)
-
[Publications] T.Kojiri: "Fuzzy Expert System of Reservoir Operation with Typhoon and Rainfall Prediction" AIENG92. (1992)
-
[Publications] 池淵 周一: "水文・水資源研究のためのAI技術の利用に関する構座" 水文・水資源学会, 190 (1991)
-
[Publications] 浅居 喜代治: "ファジィの基礎から実用化技術まで" 日本ファジィ学会, 109 (1992)