1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03555129
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
尾島 俊雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20063670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 昌生 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 客員研究員
高橋 信之 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 客員研究員
佐土原 聡 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 客員研究員
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Keywords | 地下鉄 / 熱環境 / 空気環境 |
Research Abstract |
地下鉄駅コンコースについてエネルギー消費実態調査、環境実測調査を行い、分析を行った。地下鉄における冷房設置駅は毎年増加しており、それとともに冷房用電力を含む付帯電力使用量も増加している。某駅における年間冷房用エネルギー消費は318Mcal/m^2・年で、エネルギー消費が非常に大きい地下街のさらに約1.5倍にも達する。このように多大なエネルギーを消費するのは列車排熱の負荷が非常に大きいためである。東京における一般的な地下鉄駅2例を対象に環境実測を行った結果、地下鉄駅コンコースの熱環境は、外気に比べ季節変動、日変動が少なく安定しているといえるが、部分的にみると不均質であり夏期において最大5℃の温度差が、冬期において最大10℃の温度差がある。コンコースとホームの温度比較では、夏期においてホーム部の冷房が強く、ホーム部がコンコース部より低く、冬期においては、暖房が入っていないため列車排熱の影響を受けてホーム部がコンコース部より高い。このように場所によって地上開口部からの外気影響、ホーム部からの列車排熱、そして歩行者、乗降客からの人体発熱などによって、温度分布の熱的環境が大きく異なる。空気環境の実測では、CO_2濃度は全体的に高濃度であり、建築基準法等の環境基準である1000ppmを越えることが多い。このCO_2の発生源は歩行者であり、断面交通量の調査では朝夕のラッシュ時の交通量が大きく、安全性の観点から容量を越えた利用がなされていると言える。実測結果の歩行者交通量とCO_2濃度の関係より、CO_2濃度の許容値を1000ppmとしたとき、各地点で許容される断面交通量を算出した結果、すべての地点でこの値を実際の交通量の最大値が上回っており、環境容量を上回る利用がなされていることがわかった。このようにコンコースはホーム、軌道の付随的な施設として計画されてきたため、歩行者本位の計画にはなっていない。コンコースが地区の歩行者空間ネットワークの一部としてその重要性が高まっている現在、その環境計画のあり方についても見直す必要があるといえる。
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Research Products
(1 results)