1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03555132
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松岡 功 東北大学, 工学部, 教授 (80005264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 美樹 東北大学, 工学部, 助手
田路 和幸 東北大学, 工学部, 助教授 (10175474)
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Keywords | CaCO_3粒子 / 石英粒子 / 分散油滴 / 凝集・沈降 / 油分の回収 / 分割添加 / 粒子の繰り返し使用 / スラッジ水分量 |
Research Abstract |
水中での挙動が制御しやすい親水性粒子としてCaCO_3粒子と石英粒子を用い,水中の分散油滴を固体粒子表面に付着させ除去する研究を昨年に継続して行った。昨年度得られた,水中の親水性粒子と油滴の相互作用に関する知見に基づき,本年度は固体粒子の有効な添加法,油滴を付着した固体粒子の凝集・沈降効果及び付着油分の回収を中心に検討し,以下のような結果を得た。 (1)一定の初期油分濃度に対し単位粒子重量当たりの付着油分量は添加量とともに減少すること,また,低い油分濃度では粒子表面が油滴で飽和していないにも関わらず油分の全量は付着しないことを示した。これらの場合には粒子表面が有効に使われていないと見なし,この結果を単位重量当たりの付着油分量が残留油分濃度に依存することで説明した。検討の結果,初期油分濃度の高い領域では固体粒子の少量ずつの分割添加により,相当量の一括添加に比べて油分濃度を大幅に低下できた。また,初期油分濃度の低い領域では油分を付着した粒子を同じ初期油分濃度に対して数回繰り返し使用しても処理能力は保たれた。 (2)CaCO_3粒子,及び石英粒子ともに,油滴の付着により凝集が促進され,1mm〜数mm程度の凝集体となることを示した。含油スラッジの水分量は自然沈降体積物について約60〜70%,これを吸引濾過すると30〜40%にまで減少した。油の付着量が多いほど凝集体は大きく,スラッジ水分量は小さい傾向にある。 (3)CaCO_3粒子は広いpH条件,電解質条件で油滴を付着するが,石英粒子は条件により油滴の付着量が著しく異なることが昨年度の研究で認められた。そこで油滴を付着した石英粒子を,油滴の付着が起こりにくい条件に調整した溶液中に浸漬すると,付着した油が徐々に遊離するのが見られ,付着油分を分離・回収する可能性が得られた。
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