1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03555134
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊地 宏吉 京都大学, 工学部, 教授 (90224899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水戸 義忠 京都大学, 工学部, 助手 (40229753)
楠田 啓 京都大学, 工学部, 助手 (90169988)
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Keywords | 孔内打撃応答試験 / 原位置岩盤試験 / 簡易試験 / ボーリング孔 / 打撃応答量 / 変形試験 / 岩盤評価 / 地質工学 |
Research Abstract |
本研究においては、現在開発の最終段階にあるボーリング孔を利用した簡易打撃応答試験(孔内打撃応答試験機)の測定値と岩盤の工学的特性との対応関係を把握するために文献調査による考察及び原位置における調査・試験を行なった。 まず、文献調査においては、試験機によって得られる打撃応答量とハンマーの重量との関係に関する論文を調査すると同時に各種岩盤における打撃応答量の測定値のデーターの収集を行った。 次に原位置調査・試験においては、中生代の塊状砂岩地域、中生代の塊状砂岩・泥岩地域、新生代の熔結凝灰岩地域において、孔内打撃応答試験及び孔内載荷試験を実施し、その結果より以下のような知見を得た。 (1)流絞岩地域(前年度実施)と同様に、一測定点においては、五回の予備打撃後に得られる5つの打撃応答量のばらつきが小さく、その平均値が各測定点独自の値を呈していることから、一打撃応答量の信憑性は高いことが判明し、また概ね岩盤等級区分が良好になるに従って打撃応答量が高くなる傾向がみられた。 (2)一打撃応答量が打撃点における風化の度合いや割れ目の存在など岩盤の局所的な性状によってかなり左右されるのに対し、隣合う数打撃点において得られる全打撃応答量の平均値は、その区間の岩盤の各物性値(変形係数・静弾性係数:孔内載荷試験より得られた値)及び岩盤等級と高い相関性を示した。この傾向は、中生代の塊状砂岩地域、中生代の塊状砂岩・泥岩地域、新生代の熔結凝灰岩地域のいずれにおいても認められ、したがって岩盤を構成する岩石の種類が異なっても打撃応答試験によって得られる打撃応答量は岩盤の変形特性を評価することができることが判明した。
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