1992 Fiscal Year Annual Research Report
粉末材料の逐次押出し法の開発と傾斜機能素形材製造への応用
Project/Area Number |
03555149
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 克彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90027805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 章雄 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (40163183)
今谷 勝次 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (70191898)
西田 俊彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30027809)
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Keywords | 粉末押し出し / 傾斜組成材料 / 傾斜機能材料 / 素形材 / 管押出し / 最適ダイス角 / 逐次押出し |
Research Abstract |
粉末材料の押出しでは、粉末粒子同志、および粉末とコンテナ・ダイス間の摩擦が大きいために、押出し荷重の増大や製品密度の不均一が生じやすく、一度に押出しができる製品の長さには限界が存在する。本研究では、このような問題点を解決するために、粉末をコンテナ内に少量ずつ充填しては押出しを繰り返すという、いわゆる逐次押出し法を考案し、長尺の素形材(棒や管などの一次素材)の製造を試みてきた。本年度は、前年度の基礎的事項の把握に続いて以下のような検討を行った。 得られた結果を要約すると次のとおりである。 1.熱間逐次押出し装置の試作 押出し用のコンテナおよびダイスを加熱炉に組込んだ熱間逐次押出し装置を試作し、「圧粉成形」と「焼結」プロセスの一体化を可能にした。 2.押出し材の機械的性質の評価 以上のような熱間押出し材の引張強さを測定し、前年度に実施した「冷間押出し」+「焼結」プロセスによって得られた押出し材のそれと比較した。その結果、両者はほぼ同じ強度を示し熱間での逐次押出しも可能であることが確かめられた。 3.金属系傾斜組成素形材の製造 鉄と銅粉末の混合割合を半径方向および長さ方向に徐々に変化させて圧粉体を成形した後、これを1050℃、90分間真空焼結するという方法で傾斜組成材料の製造を試みた。その結果、鉄と銅の接合界面はある幅を持った層状になっており、非常に強固に接合していることがわかった。 なお、今後は、多孔質体の塑性力学式を基にした剛塑性有限要素法によって、粉末材料の逐次押出しの数値シミュレーションを行い、傾斜機能素形材の製造に対する粉末材料の組合せ、加工条件などについて力学的観点からの検討を行うことが必要である。また、熱間逐次押出しにおけるダイスと粉末間の潤滑、各種の金属-金属系および金属-セラミックス系傾斜組成素形材の製造、ならびにこれら素形材の摩擦、摩耗、熱、防振・防音特性などについても検討を進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 山口 克彦: "金属粉末の逐次押出しによる円管の成形" 平成4年度塑性加工春季講演会講演論文集. 677-680 (1992)
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[Publications] Yamaguchi,K.: "Production of Rods and Tubes by Sequential Extrusion of Metal Powder" Proc.4th Int.Conf.Technology of Plasticity,1993-9(発表予定).(1993)