1992 Fiscal Year Annual Research Report
ファジイ理論によるパルスMIG溶接溶融池の適応制御に関する研究
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03555159
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
大嶋 健司 埼玉大学, 工学部, 教授 (70026087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勘定 義弘 NKK応用技術研究所, 技師
杉谷 祐司 NKK応用技術研究所, 溶接研究室室長
窪田 武文 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (40047585)
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Keywords | パルスMIG溶接 / 片面裏ビード溶接 / 開先溶接 / ファジィ理論 / ニューラルネットワーク / 溶け込み形状 / CCDカメラ / 溶接ロボット |
Research Abstract |
これまで平板ビード溶接においてCCDカメラを持つパルスMIG溶接ロボットを構成し、画像処理とデジタル制御のパルスMIG溶接への適用について基礎研究を行ってきた。これを片面裏ビード溶接、隅肉溶接、および開先溶接へ実用化する。一般に溶接中の裏ビードを直接測定することは困難であるので、溶接面から得られる情報、すなわち、溶融池の表面形状、開先幅、入熱状況(電流の時間的変化)から溶接溶融池の溶け込み深さを推定する。これを行うため直接測定が困難な制御対象の状態(溶け込み深さ)を求めるニューラルネットワークを構築した。このネットワークを用い、制御対象の状態を求め、これに適応してファジイ理論により、溶接電流波形を制御する。まず、ロボットの溶接トーチ近傍に2台のCCDシャッタカメラを固定し、溶融池表面および開先を同時に撮影し、画像メモリに取り込み、画像処理を高速高精度に行い、溶融池表面形状および開先形状を計測した。電流波形における観察期間位相の溶融池画像の鮮明さに及ぼす影響を調べ、観察するための最適な位相を求めた。つぎに、溶接電流および開先形状に対する溶融池表面形状および溶け込み深さの応答の定常状態と過渡状態を求め、制御対象の入出力関係を考察し、ニューラルネットワークの構造の決定と教師データの構築を行った。さらに、CCDカメラにより電極直下より前方の開先幅をセンシングしているため、電極直下における開先変動は予めわかるので、これに対してフィードフォワードを構成し、遅れなしに溶接電流波形をファジィ理論により制御した。一方、溶け込み深さに関するフィードバックは画像処理および演算に関する1サンプリング周期のむだ時間を含んでいる。これに適したファジィ制御器を現代制御理論の知識から構成し、溶接電流波形を制御した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kenji Ohsima: "Digital Control of Torch Position and Weld Pool in MIG Welding Using Image Processing Device" Trams.of IEEE IAS. 28. 607-612 (1992)
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[Publications] 山根 敏: "パルスMIG溶接におけるセンシングとファジィ制御" 溶接学会論文集. 10. 46-51 (1992)
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[Publications] Satoshi Yamane: "Sensing and Fuzzy Control of Weld Pool with Welding Robot" Proc.of 6th Ammual Conf.of IEE JAPAN-IAS. E5-E9 (1992)
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[Publications] 大嶋 健司: "ロボット溶接におけるセンシングとファジィ制御" 溶接学会全国大会講演概要. 50. 218-219 (1992)
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[Publications] 大嶋 健司: "パルスMIG溶接における溶融池形状のニューロ・ファジイ制御" 溶接学会全国大会講演概要. 51. 354-355 (1992)
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[Publications] 山根 敏: "溶接ロボットによる溶接溶融池のファジィ制御" ファジイフロント. A-2.1-A-2.6 (1992)