1993 Fiscal Year Annual Research Report
サイクリックCIP概念に基づく高信頼性セラミックス製造システムの開発
Project/Area Number |
03555164
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安田 公一 東京工業大学, 工学部, 助手 (20191306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 榮一 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (70016830)
福長 脩 東京工業大学, 工学部, 教授 (20199251)
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Keywords | サイクリックCIP / セラミック粉体成形 / 強度信頼性 / 成形助剤 |
Research Abstract |
申請者らはセラミック粉体の新しい成形法-サイクリックCIP成形法-を世界に先駆けて開発し、本方法が成形体の密度と均質性の向上に著しい効果があること、焼結体の強度信頼性(強度のばらつきが小さいこと)向上に大きな効果があることを実証してきた。 本年度はこれまでの成果を背景に、以下の諸点について検討し、研究の総括を行った。 (1)セラミック単味粉、複合粉について成形助剤の効果を検討した結果、ステアリン酸塩を適量添加することにより、低圧力で高密度の成形体が得られることを明らかにした。また、サイクリックCIP法を用いることにより、顆粒を効果的に崩壊させ、成形体の均質性が向上することを明らかにした。 (2)粉体圧密挙動の直接観察結果をもとに、サイクリックCIPによる粉体圧密の構成式(一般式)を導出し、新たに提案した式が性質の異なる種々の粉体(2種類のアルミナ粉、3種類の炭素粉、炭化ケイ素粉など)のサイクリックCIP成形挙動を説明できることを明らかにした。 (3)サイクリックCIP成形した試料を常圧焼結し、その破壊挙動を調べ、最適CIP条件(最高圧力、繰り返し数、周波数、バイアス圧力)について検討した。その結果、アルミナのみでなく炭化ケイ素などにおいてもサイクリックCIPにより成形した試料はそれを行わなかった試料に比べ、強度信頼性を表すワイブル係数が著しく向上することを見いだし、本方法が高信頼性セラミックスの製造法の一手法となり得ることを明らかにした。 (4)3年間の研究成果を総括し、公表・出版する。
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[Publications] 西村聡之: "サイクリックCIPによるセラミック粉体の成形-ち密化の定量的評価-" 日本セラミックス協会学術論文誌. 101. 985-990 (1993)
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[Publications] 西村聡之: "サイクリックCIPによるセラミック粉体の成形-アルミナ粉体のち密化挙動-" 第30回等方加圧加工研究会講演要旨集. 2 (1993)
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[Publications] 安田公一: "複合系セラミックスの破壊靭性に及ぼす微細組織の影響" 学振第124委員会第69回会議資料. 69. 22-27 (1993)
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[Publications] 北村正: "球状単分散粒子のサイクリックCIP成形" セラミック基礎科学討論会講演要旨集. 32. 206-207 (1994)