1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03555166
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平尾 一之 京都大学, 工学部, 助教授 (90127126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田部 勢津久 京都大学, 教養部, 助手 (20222119)
那須 弘行 三重大学, 工学部, 助教授 (20189179)
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Keywords | 赤外一可視変換 / 希土類元素 / 波長変換ガラス / 半導体レ-ザ- / アップコンバ-ジョン蛍光 / 色素レ-ザ- / フォノンエネルギ- / フォノンサイドバンド |
Research Abstract |
希土類元素をド-プしたガラスは波長変換する材料として、近年、注目を浴びている。特に、Erを導入したフッ化物ガラスは、赤外光を可視光に変換するといった極めて特異なアップコンバ-ジョン現象をおこすので、可視光半導体レ-ザに替わるのではないかと大きな期待が寄せられている。そこで本研究では、高効率の赤外-可視変換ガラスレ-ザ-の開発を目指して、より広範囲のガラス組成で探索を行ない研究を進めた。得られた成果は次の通りである。 1.Er含有ガラスについてはホストのフォノンエネルギ-の小さなフッ化物ガラスにおいて、800nmの半導体レ-ザ-励起により、高強度のアップコンバ-ジョン蛍光が550nmの可視域において観測され、その強度はガラスのホストの最大振動数の減少と共に増大した。又、さらに、波長可変色素レ-ザ-により励起を行ったところ、650nm付近の赤色光励起により緑色を発することを明らかにした。 2.Tm含有ガラスについては、色素レ-ザ-にDCM色素を用いることにより、600〜700nmの励起光を得ることができ、赤色励起により2段階励起で、360nmの紫外光と450nmの青色光のアップコンバ-ジョン蛍光を観測した。 3.ガラス中の希土類イオンの局所構造を明らかにするために、メスバウア-効果の測定を行い、フツリン酸塩ガラスにおいては、酸素イオンが優先的に希土類イオンに配位し、P-Oの伸縮振動が多フォノン緩和による非輻射損失に寄与していることをフォノンサイドバンドの測定より明らかにし、そのためアップコンバ-ジョンの効率が著しく減少することが分かった。したがって、塩化物、臭化物、ヨウ化物ガラスなどを作製して、フォノンエネルギ-を下げることが、今後、行なわねばならないと思われる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 平尾 一之: "UV and Blue Upconversion in Tm^<3+>-doped Fluoroaluminate Glass by 0.655μm Excitation" J.Non-Cryst.Solids. 135. 90-93 (1991)
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[Publications] 田部 勢津久: "Upconversion Intensity and Multiphonon Relaxation of Er^<3+>-doped Glasses" SPIE Proc.Int.Cong.Opt.Sci.Eng.,. 1513. 1-9 (1991)
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[Publications] 平尾 一之: "Growth Process of CdSe micrscrystals in CdSe-doped SiO_2 Glass Thin Film" J.Non-Cryst.Solids. 134. 233-38 (1991)
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[Publications] 轟 真市: "Phonon sideband Spectra and Local Structure of Eu^<3+> in Sodium Silicate Glasses" J.Non-Cryst.Solids. 136. 213-218 (1991)
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[Publications] 田部 勢津久: "Upconversion of Er-doped Fluoride Glass by Tunable DCM-dye Laser." Int.Conf.Sci.and Tech.of New glasses. 193-198 (1991)
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[Publications] 平尾 一之: "CW Room Temperature Upconversion Lasing in Er^<3+>-doped Fluoride Glass Fibre" J.Non-Cryst.Solids.
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[Publications] 平尾 一之: "オプトロニクス" オプトロニクス社, 107 (1991)
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[Publications] 平尾 一之: "ニュ-ガラスハンドブック" 丸善, 605 (1990)