1991 Fiscal Year Annual Research Report
フロン酸化および還元による相補的無害化破壊技術の開発
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03555171
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
今村 成一郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (00027898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神代 等 日本ファインガス(株), 工場次長
寺本 正明 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (60026086)
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027885)
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Keywords | 酸分解 / ジルコニア / リン酸 / フロン12 / 超強酸 / 還元的処理 / ナフタレニド / 脱フッ素反応 |
Research Abstract |
酸化的分解処理について:フッ素に対して耐久性のあるリン酸とジルコニアを組み合わせた触媒系のフロン12分解性能を検討した。市販のジルコニアに対するリン酸担持量を変化させた結果、PO4/Zr=0.005(モル比)で最高活性となった。この触媒の酸強度は‐5.6<HO≦‐3.0であり、酸点が分解の活性点であることがわかった。耐久性を500℃で調べたところ、初期では100%のフロン12分解が起こるが、6時間後から分解率が悪くなり30時間後では25%の分解率で安定した。分解率の低下は大きいものの、現在までに知られる最も安定なBPO4触媒よりは優れていることがわかった。より強い酸点を持つ触媒として、オキシ硝酸ジルコニウムを中和沈澱し、200℃乾燥した後にリン酸を担持させ500℃で焼成することにより超強酸を合成した。この酸強度は‐14.52<H0≦‐13.16であった。この触媒は300℃でフロン12を完全分解することができ、いままで検討した触媒の中で最も高い活性を示した。現在この触媒についてその耐久性を検討中である。 還元的処理について:金属LiおよびNaから調製したナフタレンアニオンラジカルを用いてパ-フルオロカ-ボン(PFC)の還元を行なった。Liを用いた場合脱フッ素率は50%どまりであり、還元力を増強するための手段(ポリエチレングリコ-ルエ-テルの添加、紫外線照射)を用いても効果がなかった。対照的にNaの場合には同じ条件下でほぼ定量的に脱フッ素が進行した。また、液体アンモニア中で金属NaおよびLiによるBirch還元をPFCに適用した。この場合にもLiの低転化に対してNaではほぼ100%の転化が起こった。安価なNaの処理効率が高いことは実用面での利点であり、現在NaとLiの挙動の違いについて検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 今村 成一郎: "フロン12の接触分解-耐フッ素性触媒についての検討" 日本化学会誌. 645-647 (1991)
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[Publications] 今村 成一郎: "Decomposition of dichlorodifluoromethane on BPO_4 catalyst" Industrial and Engineering Chemistry Research. 30. 2355-2358 (1991)
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[Publications] 奥 彬: "還元剤によるフロンの分解処理" 化学工業. 42. 451-455 (1991)
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[Publications] 奥 彬: "クロロフルオロカ-ボン(CFC-113)の還元的脱フッ素反応における中間生成物ならびに紫外線照射効果" 日本化学会誌. 910-912 (1991)
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[Publications] 今村 成一郎: "Catalysis Today vol11-Catalyst Deactivation" Elsevier, 21 (1992)