1992 Fiscal Year Annual Research Report
フロンの酸化および還元による相補的無害化破壊技術の開発
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03555171
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
今村 成一郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (00027898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神代 等 日本ファインガス(株), 工場次長
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027885)
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Keywords | フロン / 分解 / 酸化 / 還元 / 酸触媒 / 耐久性 / ナフタレニド |
Research Abstract |
フロンの酸化分解に対して活性、耐久性のある酸触媒の開発を、フロンのモデル物質としてフロン12を用い検討した。種々の触媒について検討した結果、生成する無機フッ素に対して反応性の低い非金属元素を構成元素とするBPO_4の耐久性が優れていることが認められた。しかし、BPO_4も長時間の使用で揮発性BF_3を生成して失活した。リン酸根はフッ素に対し安定であるのでこれと比較的耐久性のあるジルコニアを組み合わせると、長期の使用に対してはBPO_4よりすくれていることが認められた。この知見に基づき、反応条件を緩和するために100%硫酸より強い酸性を示す超強酸リン酸-ジルコニア触媒を調製した。この触媒によってフロン12は300℃という低温で分解した。 触媒の失活は反応中に金属フッ化物が生成するためである。このフッ素をHFとして除き触媒を再生するために、超強酸リン酸-ジルコニア触媒を用いた反応系内に水素源として水を添加してその影響を検討した。その結果、水無添加の場合には25時間後にフロン12の転化率は20%以下に低下するが、水存在下では30時間後でも60%以上の転化率を保ち、水の触媒再生剤としての効果が認められた。以上の結果から、リン酸-ジルコニア触媒のさらなる改良と、反応条件を検討することにより、実用的フロン分解プロセスの開発が可能と考えられる。 還元法としてはアルカリナフタレニドによるフロンの脱ハロゲン無害化を行った。フロン113を用い、反応中間体の解析を行い反応機構について考察を行った。紫外線の照射は反応効率を高めることを見い出した。また、フロン類の選択的脱塩素反応により有用フッ素化合物を得るための条件を検討した。還元剤としてナトリウムより、リチウムを用いる方が脱塩素選択率は高く、またジエチルエーテルが脱塩素反応の溶媒として適していることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Imamura: "Decomposition of dichlorodifluoromethane on BPO_4 catalyst" Ind.Eng.Chem.Res.30. 2355-2358 (1991)
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[Publications] S.Imamura: "Catalytic decomposition of halogenated organic compounds and deactivation of the catalysts" Catalysis Today. 11. 547-567 (1992)
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[Publications] 奥 彬: "クロロフルオロカーボン(CFC-113)の還元的脱フッ素反応における中間生成物ならびに紫外線照射効果" 日本化学会誌. 910-911 (1991)