1993 Fiscal Year Annual Research Report
金属アルミニウムを電子源として活用する炭素-炭素結合形成法の開発
Project/Area Number |
03555185
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鳥居 滋 岡山大学, 工学部, 教授 (70032927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 勉 岡山大学, 工学部, 助教授 (50168473)
奥本 寛 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (90183251)
田中 秀雄 岡山大学, 工学部, 助教授 (60032950)
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Keywords | 金属アルミニウム / バイメタルレドックス / 炭素-炭素結合形成反応 / 選択的官能基変換 / ベータラクタム / 電子移動触媒 |
Research Abstract |
金属アルミニウムは、豊富に電子を内包する電子源(還元剤)である。金属アルミニウムを電子源とする、新しい電子伝達系を用いて、炭素-炭素結合形成や特異的官能基変換を惹起できることを示してきた。本試験研究では、金属アルミニウムを電子源とする複合電子伝達系に関わる、以下の課題に取り組み、実用的展開のための基礎研究を検討した。 アルミニウム金属表面から基質への電子伝達機構は、電子移動触媒として添加する金属レドックス、溶媒、添加剤等により著しく異なる。まず、複合レドックス系電子伝達のモデル化、反応のパターン化、反応場等の解析結果を有機的に統合し、電子伝達機構の解明と最適な高効率電子伝達系を究明する新しい方法について検討を加えた。 直接にはアルミニウムとの電子移動が起こり難い遷移金属レドックス(Pd、Ni,etc)系に、第3の金属レドックス(Pb,Bi,Ti,etc)を介在させることにより、電子移動触媒系となることを見いだした。アルケニルハライドの還元カップリングに適用し、ジエン誘導体の汎用合成法を開発した。 上記多元系電子移動触媒系等による、選択的官能基変換、炭素-炭素結合生成反応をβ-ラクタム系抗生物質の変換反応に適用することにより、β-ラクタム系抗生物質の新実用的合成法を開発した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Torii: "Carbonylative[2+2]Cycloaddition for the Construction of β-Lactam Skeleton with Palladium Catalvst" TETRAHEDRON LETT.34. 6553-6556 (1993)
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[Publications] S.Torii: "A Facile Conversion of 2-Substituted Acrylamides to 1,3-Disubstituted 3-Bromo-2-Azetidinones" SYNTH.COMMUN.23. 517-523 (1993)
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[Publications] S.Torii: "Palladium-Catalyzed Sequential Bond Formation Leading to Conjugated Ene-Yne System" TETRAHEDRON LETT.34. 2139-2142 (1993)
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[Publications] H.Tanaka: "Mg/PbBr_2 Bimetal Redox-Promoted Stannation of Propargyl,Allyl,Vinyl,and Aryl Halides" Synlett. 835-836 (1993)
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[Publications] H.Tanaka: "2-Substituted Penems,New Candidates for Cephalosporinase Inhibitors" Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 3. 2253-2254 (1993)
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[Publications] T.Inokuchi: "Electrochemical Wacker Type Reaction with a double Mediatory System Consisting of Palladium Complex and Tri(4-bromophenyl)amine" Chemistry Letter. 121-124 (1994)