1993 Fiscal Year Annual Research Report
胚性幹細胞の分離法および培養法の実用化に関する研究
Project/Area Number |
03556037
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
豊田 裕 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90050418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久和 茂 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30177943)
佐藤 英明 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80093243)
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Keywords | 胚性幹細胞 / 初期胚 / 胚盤胞 / キメラ / 共培養 |
Research Abstract |
1.胚性幹細胞の分離法に関する検討 初期胚の培養成績が安定し、遺伝子導入の実験にも多く用いられるC57BL/6およびそのF1マウスを用いて、胚性幹細胞の分離を試み、その結間を129/SvJの場合と比較し、普遍性の高い分離条件を検討した。 その結果、非129/SvJ系から樹立された6細胞株は、いずれもコロニーの形態、浮遊培養した時の胚様体の形成能力から胚性幹細胞様の細胞コロニーと考えられたが、樹立の初期過程で若干の分化傾向を示し、それは継代培養によって幾分改善されたものの、キメラ個体を得るには至らなかった。このことは、培地に分化抑制因子(Leukemia Inhibitory Factor,LIF)を添加しても解決できなかった。そこで初期胚由来の新しい制御因子を探索する目的で、胚盤胞の内部細胞塊を分散させ培養したときに培地中に物質に注目し、この培養上清と標準培地を1:1に混合した順化培地を作製して胚性幹細胞株の樹立を試みた結果、細胞増殖能が高く、分化傾向を全く示さない細胞株が得られた。 2.共培養法によるキメラ個体の作出に関する検討 5%牛胎児血清と23mM乳酸ナトリウムを添加した標準培地と10%牛胎児血清を含む初期胚発生培地の2種類の培地を用いて、透明帯を除去した8細胞期から桑実胚の初期胚と単離A3-1胚性幹細胞との集合キメラ胚の作製を試みた。その結果、胚性幹細胞の密度を0.5x10^6/mlに調節し、2-3時間の共培養をを行うことによって、高いキメラ胚形成率を得ることができた。これらのキメラ胚は、偽妊娠受容雌の子宮へ移植することにより、キメラ個体へ発生することも実証された。
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Research Products
(1 results)