1992 Fiscal Year Annual Research Report
パラフィン切片の蛍光画像解析による定量的がん細胞判定法の試作開発研究
Project/Area Number |
03557019
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Research Institution | KYOTO PREFECTURAL UNIVERSITY OF MEDICINE |
Principal Investigator |
蘆原 司 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30079719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦田 洋二 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30143944)
小西 英一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50186714)
村田 晋一 東京府立医科大学, 医学部, 助手 (20229991)
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Keywords | 人癌 / 病理診断 / 癌細胞判定法 / DNA蛍光 / 画像解析 / 多変量解析 / 判別分析 / イメージサイトメトリー |
Research Abstract |
腫瘍の病理組織診断で重要な良・悪性判定や異型性の評価の定量化・客観化は、今なお不可能である。これは病理標本は細胞・核の断片しか含まず、化学処理も加えられたパラフィン切片であるため、本格的な細胞計測が避けられてきたためである。本研究では、私達が従来進めてきた顕微蛍光画像解析法(イメージサイトメトリー)をパラフィン切片に応用し、1)病理組織診断に併用して、細胞単位で応用可能な「細胞の良・悪性判定法」と「核異型度の評価法」の定量的・客観的方法の原理を開発する、及び2)これを基に病理組織診断の補助手段と位置づけた実用化のための「フィールドテスト用モデル」を提案する、ことを目的とした。まず、通常のパラフィン包埋材料からHE染色標本に連続薄切し、プロピジウム・アイオダイドのDNA蛍光染色をした標本を対象とした。画像解析には、私達が従来試作してきたパソコン制御の上記の細胞解析システムを用い、位相差観察下・自動ステージで同定する細胞核のDNA蛍光像を、高感度TVカメラで撮像後、画像処理装置による基本処理、パソコンによる画像解析を行って形態定量した。形態計測は、粒度・幾何学的特徴・テクスチャー・FFT等の解析について、BASIC・C言語でソフトを自作・改良してパソコン・ワークステーションを用いて行った。これら多数の計測情報を多変量解析して癌細胞に特徴的なパラメータを絞り込み、判別分析で癌細胞判定を行った。これまで癌の特徴的所見が顕著に現れやすいヒトの進行癌を中心に、約160例の胃・大腸癌を解析し、癌細胞は困難な2例を除いた全例で75-93%の確かさで、また正常細胞(上皮細胞、線維芽細胞、リンパ球)はそれ以上の確かさで判定できた。残りの2例も癌細胞識別率が約65%であった。核異型性の定量的評価法についてもレーダーチャートの原理を考案した。現在、これらの成果を取りまとめ、フィールドテスト・モデルのためのハード・ソフトの仕様をまとめている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 芦原 司、村田 晋一、小西 英一、他: "画像解析装置最近の進歩とイメージサイトメトリー 研究の動向" 日本臨床. 50. 2497-2504 (1992)
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[Publications] 芦原 司、他: "レーザー顕微鏡による立体構築と顕微鏡画像解析" 消化器内視鏡. 4. 1789-1794 (1992)
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[Publications] 安住 有史、芦原 司、他:"ヒト胃癌細胞の細胞周期とシスプラチン作用機序の解析 ーオートステージ顕微測光法を用いてー" 癌と化学療法. 19. 987-992 (1992)
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[Publications] Takahashi,H.,Ashihara,T.et al.: "Cytofluorometric analysis of spermatocytic seminoma" Cancer. (1993)
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[Publications] 小西 英一: "ラット初代培養肝細胞を用いた多倍細胞の細胞周期解析 ー自動ステージ結合型顕微蛍光測光装置を応用してー" 京都府立医科大学雑誌. 101. 259-269 (1992)
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[Publications] 芦原 司、村田 晋一、小西 英一、他: "癌の顕微鏡形態診断の客観化と自動化" 第23回日本医学会総会会誌. I. 114-115 (1992)
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[Publications] Kusuzaki,K.,Ashihara,T.,Hirasawa,Y.: "Assessment of malignancy of bone and soft tissue tumors using DNA cytofluorometry(in Recent Advances in Musculoskeletal Oncology)" Springer-Verlag, 8 (1992)
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[Publications] 芦原 司、小西 英一、村田 晋一、他: "骨細胞のライフサイクルと加齢変化(全身主要臓器の細胞核 DNA定量の観点から(「咬合の生涯維持」三谷 春保、関根 弘編)" クインテッセンス出版(株), 11 (1992)