1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03557025
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
布上 董 九州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (20038649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 創 九州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90136432)
梅根 健一 九州大学, 医学部, 助教授 (70127984)
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Keywords | パルボウイルスB19 / 抗原エピトープ / 合成ペプチド / ELISA |
Research Abstract |
1.パルボウイルスB19の抗原エピトープを探索しペプチド抗原を作製する目的で、当初10個のアミノ酸残基によるリニアーの合成ペプチドでテストしていたが、抗体にたいする反応性が全般に弱いため、15残基のペプチドに変えて、その抗原性を酵素抗体法によってテストした。VP1、VP2共通のC末端(塩基4786)から56種のペプチドを調べ、反応の程度は異なるが、B19抗体に反応する10種のペプチドを確認した。その中から、反応性のよいものを選び、その部位を中心に16ないし25残基のペプチドを合成し、B19抗体反応の強い7種を決定した。この7種は、相互にオーバーラップする部分を含むものがあるので、相互に独立したものと、部位的に近似のものではより反応性の強い方の合成ペプチドを、計5種選定した。1種はVP1、4種はVP2蛋白の領域にある。後者のうち2種は、抗原エピトープとして、Fridellらと、Satoらが報告した部位に一致し、他は未知のもので、かつ抗原としての反応性が既報のものより強いことを確認した。これらのペプチド抗原は、相互の機能的な差異が明らかでないが、感染急性期のIgG、IgM抗体に対する反応性では、ウイルス粒子抗原よりもVP1、VP2組み替え蛋白に類似して、優れた一面を有している結果をえている。この5種の合成ペプチドそれぞれの抗体を、兎でつくらせ、現在その抗体の中和活性を検討している最中である。それぞれの合成ペプチドに、B19ウイルス粒子で認められる赤血球凝集能は認められない。この5種のペプチドの抗体検出用抗原としての優劣を検討中である。 2.細胞レベルにおける、収量のよいウイルス粒子の増殖は依然困難で、継続検討中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Umwne K,Nunoue T: "Genetic diversity of human parvovirus B19 determined using a set of restriction endonucleases recognizing four or five base pairs and partial nucleotide sequensing." J gen Virol. 72. 1997-2001 (1991)
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[Publications] Umene K,Nunoue T: "Partial nucleotide sequencing and characterization of human parvovirus B19 genome DNAs from damaged human fetuses and from patients with leukemia." J Med Virol.
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[Publications] 布上 董: "伝染性紅斑とhuman parvovirus B19" 小児医学. 24. 697-711 (1991)
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[Publications] 布上 董: "ヒトパルボウイルス関連疾患の遺伝子診断" 日本臨床. 50. 222-226 (1992)
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[Publications] 布上 董: "パルボウイルスB19抗体測定用ELISA(IBL製)の検討" 臨床とウイルス. 20. 424-428 (1992)
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[Publications] 布上 董: "ヒトパルボウイルスB19胎児感染の現況" 肝胆膵. 26. 15-20 (1993)
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[Publications] 布上 董(編者:岡 博,和田 攻): "医科学大事典補遺10最新の医療情報1993(ヒトパルボウイルスB19感染症)" 講談社, (4) (1993)
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[Publications] 布上 董(島田 馨編): "最新内科学大系第26巻ウイルス感染症(パルボウイルス)" 中山書店,