1991 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化症におけるスカベンジャ-受容体と変性LDLの分子遺伝学
Project/Area Number |
03557032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
児玉 龍彦 東京大学, 医学部(病)・第三内科, 助手 (90170266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 洋幸 中外製薬研究所, 主席研究員
貞広 隆造 中外製薬, 研究開発・副本部
長野 豊 京都大学, 医学部・老年科, 助手
土井 健史 大阪大学, 薬学部, 助教授 (00211409)
北 徹 京都大学, 医学部・附属病院老年科, 教授 (60161460)
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Keywords | マクロファ-ジ / スカベンジャ受容体 / 泡沫細胞 / 動脈硬化 / コレステロ-ル / LDL |
Research Abstract |
変性LDLがスカベンジャ-受容体を介してマクロファ-ジに取り込まれ泡沫細胞を形成し、動脈硬化を進展させるメカニズムの解明とその抑止による動脈硬化治療法につき検討をすすめた。 1)LDLの変性機構の解析LDLの変性を様々なラジカルの産生方法を用いて比較検討した。マクロファ-ジによるとりこみは、CuSO4,AAPH,AMVNなどラジカルの与え方による差異はすくなくLDLが酸化されれば、マクロファ-ジにとりこまれることがわかった。 2)HDLの酸化がおこることを示し酸化HDLはコレステロ-ルの逆転送能力を失い、動脈硬化をさらに促進させることが判った。 3)マウスの腹腔マクロファ-ジを用いたLDL抗酸化剤のスクリ-ニング法(児玉他、一般研究B、2454507成果報告書参照)をもちいて、種種のLDL抗酸化剤のマクロファ-ジへのコレステロ-ル取り込み抑制能力を検討した。LDLの酸化抑制のためには、LDLのcore脂質へ局在することが大切であることなどがわかり新規薬物のなかには、従来のプロブコ-ルより10倍以上強力な抗酸化作用のものも発見された。 4)スカベンジャ-受容体の変性LDLとの結合は、コラ-ゲン様ドメインが大切なことが知られるが、蛋白工学の手法を用いて、このドメインの337番目のリジンを中心とする陽性荷電のアミノ酸のクラスタ-が陰性荷電の巨大分子とインタラクションすることが解明された。 5)スカベンジャ-受容体の1型2型それぞれ特異抗体を作成し、動脈硬化病巣には、両方とも発現していることが明かとなった。 6)相同組換えによりスカベンジャ-受容体の遺伝的異常をゆうするembryonal stem細胞(ES細胞)の樹立に成功し、スカベンジャ-受容体の遺伝子異常をゆうするキメラマウスの作成に成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nagano, Y., and et al.: "High density lipoprotein loses its effect to stimulate efflux of cholesterol from foam cells after oxidative modification" Proc Natl Acad Sci U S A. 88. 6457-6461 (1991)
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[Publications] Matsumoto, A., and et al.: "Human macrophage scavenger receptors: primary structure, ixpression, and localization in atherosclerotic lesions." Proc Natl Acad Sci U S A. 87(23). 9133-9137 (1990)
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[Publications] Naito, M., and et al.: "Tissue Distribution,Intracellular Localization,and In Vitro Expression of Bovine Macrophage Scavenger Receptors." Am J Pathol. 139(6). 1411-1423 (1991)
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[Publications] Kurihara, Y., and et al.: "Macrophage Scavenger Receptors." Current Opinion in Lipodology. 2(5). 295-300 (1991)
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[Publications] Hirakawa, T., and et al.: "Massive accumulation of neutral lipids in cells conditionally transformed by an activated H-ras oncogene." Oncogene. 6(2). 289-295 (1991)
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[Publications] Naito, M., and et al.: "Coexpression of Type I and Type II Human Macrophage Scavenger Receptor in Macrophages of Various Organs and Foam Cells in Atherosclerotic Lesions." Am J Pathol. (1992)