1992 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の治療法に向けての分子生物学的研究
Project/Area Number |
03557037
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宮武 正 東京医科歯科大学, 神経内科, 教授 (50048998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝木 元也 九州大学生体防御医学研究所, 細胞学部門, 教授 (20051732)
内田 洋子 東京都老人総合研究所, 神経病理, 研究員 (60133633)
井原 康夫 東京大学医学部脳研究所, 神経病理, 教授 (60114386)
辻 省次 新潟大学, 脳研究所・神経内科, 教授 (70150612)
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Keywords | アルツハイマー病 / 神経成長抑制因子(GIF) / メタロチオネイン / 金属反応部位 / ジーン・ターゲティング |
Research Abstract |
ヒト神経成長抑制因子(Growth Inhibitory Factor;GIF)は、アルツハイマー病脳にて低下することが知られている。我々は、昨年GIFのcDNAをクローニングすることに成功したが、今回このヒトGIF cDNAをプローブとしヒトゲノムライブラリーをスクリーニングし、ヒトGIFの遺伝子構造を解析した。ヒトGIF遺伝子は全長約1.5キロベースという小さな遺伝子であり、3個のエクソンより構成されていることが明らかになった。更に、プライマー伸長法によりヒトGIF遺伝子の転写開始点を検索したところ、転写開始点はTATAボックスの最近のTより21ベース下流であることが判明した。塩基配列は、アミノ酸翻訳領域はメタロチオネインと相同性が高かったがプロモーター領域、イントロン、3非翻訳領域での相同性は低かった。ヒトGIF遺伝子のプロモーター領域には、メタロチオネインにて同定されている金属反応部位と相同性のある塩基配列が認められており、現在解析中である。また、アルツハイマー病でGIF発現が低下する機構を解明する目的で、マウスGIF遺伝子の構造を解析し、ターゲティングに向けて、ターゲティングベクターを作成した。まず、マウスGIF cDNAをプローブとして、マウスゲノムライブラリーよりGIF遺伝子をクローン化し、全塩基配列を決定した。マウスGIF遺伝子は、ヒトと同様3個のエクソンよりなり、プロモーターには、やはりヒト同様金属反応部位を有していた。マウスGIF遺伝子のエクソン1を欠失させ、同部にNeo耐性遺伝子を挿入し、遺伝子本体と6キロベースの相同部位を持つターゲティングベクターを構築した。negative markerとして5端にHSV-tk遺伝子を付加した。今後は、マウスの胚性幹細胞に構築したベクターのDNA断片を導入し、GIF遺伝子が欠失したマウスを作成し、解析していく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kaneko K,: "Genomic organization of a cDNA(QM)demonstrating an altered mRNA leyel in nontumorigenic Wilm's microcell hybrid cells and its location to Xq28" Hum,Mol.Genec.1. 529-533 (1992)
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[Publications] Wakamatsu N.: "A novel exon mutation in the human beta-heexosminidase beta subunit gene affect 3'splice site selection." J.Biol.Chem.267. 2406-2413 (1992)
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[Publications] Tsuji S.: "Molecular cloning of human growth inhibitory factor cDNA and its down-regulation in Alzheimer's disease." EMBO J.11. 4843-4850 (1992)