1992 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジン生体濃度測定法の問題点とその標準化に関する研究
Project/Area Number |
03557039
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 圭志 東北大学, 医学部, 教授 (60004777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水柿 道直 東北大学, 医学部附属病院, 教授 (60004595)
山本 尚三 徳島大学, 医学部, 教授 (50025607)
室田 誠逸 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50072989)
大内 和雄 東北大学, 薬学部, 教授 (20006357)
鹿取 信 北里大学, 医学部, 教授 (50050365)
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Keywords | トロンボキサン(TXA_2) / プロスタサイクリン(PGI_2) / 11-dehydro-TXB_2 / 2,3-dinor-b-keto PGF_1α / 6,15-diketo-13,14dehydro PGF_1α / 測定法 / RIA法 / EIA法 |
Research Abstract |
本年度は、2、3-dinor-6-keto-PGF_1αのRIAおよびEIAのキット化がなされ、班員に供給され生体濃度測定法の実用化がなされた。2,3-dinor-6-keto-PGF1αのEIAキットは生体内試料を測定するのに充分な感度があり、また再現性も良好である。先天的キニノゲン欠損ラットなどの動物モデルのみならずヒト本態性高血圧症や妊娠中毒症などの病態との関連からも検討され、臨床応用も可能であった。しかし、尿を試料として用いた場合には直接測定ではEIAに干渉する物質の影響があり、高い値がでる。clean upのためBond Elutカラムのみを用いた場合にはGC/SIM法やHPLCなどで分離後に測定した値に比べて数倍高い値がでるので、なんらかの分離操作が必要となる。従って現在は、抗6-keto-PGF1α抗体や抗2,3-dinor-6-keto-PGF1α抗体個相化カラムあるいはHPLCなでど分離した後に測定しなければならい。これらの方法により測定された2,3-dinor-6-keto-PGF1αの24時間排泄量は数百ng/日となり、GC/SIM法で測定された値と同じレベルとなり、信頼性が高まる。 さらに、6、15-diketo-13、14-dehydro-PGF_1αを用いた測定法の実用化もなれさ、ヒト血液と尿試料を用いて測定が可能となった。測定法としてはレーザー蛍光HPLCによるアラキドン酸代謝産物の定量法も実用化された。 次年度は実用化された各種の測定法の応用のため、各種のclean up法や測定法によるプロスタサイクリン代謝産物の測定法をまとめその標準化を図る。また、全身血管や腎でのプロスタサイクリン産生の指標としてどの代謝産物が適当であるかについても検討が進められることとなった。これらの研究が進み、微量生理活性物質、特に循環器疾患との関連の深いことが知られているプロスタサイクリンの生体濃度測定法について、その実用化の最大の問題点であった標準化と臨床応用がなされれば、循環器疾患の成因や病態の解明が飛躍的に進歩するものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hirata M, Hayashi Y, Ushikubi F, et al.: "Cloning and expression of CDNA for a human thromboxane A2 receptor." Nature.349. 617-620 (1991)
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[Publications] Watanabe M, Watanabe T, Hirasawa N, et al.: "Preparation of immunoaffinity minicolumns for the analysis of platelet activating factor(PAF) in biological samples." J.Chromatography.597. 309-314 (1992)
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[Publications] Mizugaki M, Nishikawa M, Hishinuma T, et al.: "Analysis of the eicosapentaenoic acid(EPA) metabolite Δ^<17>-6-keto-PGF_<1α> in human plasma gy GC/SIM using [_<18>O]Δ_<17>-6-keto-PGF_<1α>." Prostaglandins.44. 317-327 (1992)
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[Publications] Omata K, Abraham NG, Escalante B, et al.: "Age-related changes in renal cytochrome P-450 arachidonic acid metabolism in spontaneously hypertensive rats." Am. J. Physiol. 262. F8-F16 (1992)
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[Publications] Hishinuma T, Shimomura K, Nishikawa M, et al.: "Separation and concentration of Δ_<17>-6-keto-PGF_<1α> using monoclonal antiboby to W3-olefin structure of trienoic prostanoids" Prostaglandins.44. 329-338 (1992)
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[Publications] Matsumoto S, Hayashi Y, Kinoshita I, et al.: "Immunoaffinity purification of prostaglandin E_2 and leukotriene C4 Prior to radioimmunoassay:application to human synovial fluid." Ann. Clin. Biochem.30. 60-68 (1993)