1993 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性ムコ多糖代謝異常症の乾燥尿濾紙を用いたマススクリーニング法の開発
Project/Area Number |
03557044
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
折居 忠夫 岐阜大学, 医学部, 教授 (20045339)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祐川 和子 岐阜大学, 医学部, 助手 (60115409)
鈴木 康之 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (00163014)
|
Keywords | 遺伝性代謝異常症 / ムコ多糖症 / マススクリーニング / DMB法 / 尿中ムコ多糖 |
Research Abstract |
<目的> 遺伝性ムコ多糖代謝異常症を乳児期に早期診断するために、マススクリーニング法を開発し、全国レベルでのマススクリーニングシステムの基盤を完成し、本症の予防治療に寄与することを目的とする。 <平成5年度研究成果> 1.DMB法でのスクリーニング法の精度管理 DMB法阻害物質:前年度までの研究で明らかになった紙おむつ中の凝固剤以外に、尿に混入する可能性の高いヘモグロビン、ビリルビン、ビタミンC、脂質などにつきDMBとの反応性を検討したところ、ヘモグロビン、脂質により測定波長520nmで妨害が認められた。しかし前年度改良したサンプルブランク値を補正する定量法を導入することで影響は解消できた。 2.検体採取法 現在尿を用いたマススクリーニング法では、濾紙尿と原尿の両方が使用されているので、本法における尿採取法の是非を検討した。ムコ多糖標準液(CS,DS,HS,KS)を濾紙に浸潤させ抽出したものと原液を比較すると、n=36、r=0.932と高い相関を示した。さらに尿抽出液と原尿を比較するとn=58、r=0.581と有意の相関性は認められた。したがって抽出方法をさらに改良することにより、本法は採尿方法を問わないことが明らかとなった。 3.岐阜県でのパイロットスタディ 6か月児原尿11925検体についてムコ多糖/クレアチニン(mg/g)値を測定し、平均値209、標準偏差94より、カットオフ値をMean+2SD(400)と設定した。続いて岐阜県の6か月児尿6178例につきパイロットスタディを施行した。要再検例は162例(2.6%)であり、その内の130例(回収80%)につき二次スクリーニングをおこなったところ、陽性は0例であった。偽陽性の原因は低クレアチニン尿,紙おむつの混入が大きな割合を占めていた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Masuno M,et al: "Mucopolysaccharidosis IVA:Assignment of the Human N-Acetylgalactosamine-6-Sulfate Sulfatase(GALNS)Gene to Chronosome 168-24" Genomics. 16. 777-778 (1993)
-
[Publications] Yamada Y.et al: "Mucopolysaccharidosis type II (Hunter disease):13 gene mutations in 52 Japanese patients and carrier detection in four families" Hum.Genet. 92. 110-114 (1993)
-
[Publications] Nakashima Y et al: "Mucopolysaccharidosis IVA:Molecular Cloning of the Human N-acetylgalactosamine 6-Sulfate(GALNS)Gene and Analysis of the 5-Flanking Region" Genomics. (in press). (1994)
-
[Publications] 戸松俊治 他: "細胞への遺伝子導入実験法" Connective Tissue. 24. 267-271 (1993)
-
[Publications] 折居忠夫 他: "ムコ多糖症VII群(β-グルクロニダーゼ欠損症)" 日本臨牀. 51. 2330-2335 (1993)