1992 Fiscal Year Annual Research Report
増殖因子受容体を標的とする新しいDDSの開発と実用化の試み
Project/Area Number |
03557053
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清水 信義 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50162706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 正己 実中研, 大塚製薬, 顧問
蒲生 忍 慶応大, 医学部, 講師 (90122308)
奥 直人 静岡大, 薬学部, 助教授 (10167322)
伊藤 文昭 摂南大, 薬学部, 教授 (80111764)
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Keywords | 上皮増殖因子レセプター(EGFR) / モノクローナル抗体(B4G7) / ドラッグデリバリー・システム(DDS) / 固相法 / 殺細胞効果 / 癌細胞 / 抗体結合型接合体 / リガンド結合型接合体 |
Research Abstract |
接合体を用いた新してドラッグデリバリー・システム(DDS)の確立を目的として、上皮増殖因子レセプター(EGFR)に対するモノクローナル抗体(B4G7)とリボソーム不活化毒素geloninの固相による接合体作製法の開発を試みた。これまではiminothiolane修飾したgeloninとSPDP修飾した抗体を20時間反応させ、ジスルフィド結合により接合体を作製した。今回、SPDP化抗体をプロテインAセファロースカラムに固定し、iminothiolane化geloninを4時間還流して反応させた。この固相法は反応時間を半減でき精製を簡略化できる。固相法での接合体の回収率はまだ5%で液相法より低いが、殺細胞効果の比活性は液相法の4倍も高い。さらに反応条件などを改良すれば回収率を高め大量精製も可能と思われる。また、接合体による蛋白合成阻害についてEGFR正常産生細胞と過剰産生細胞を用いて検討した。その結果、接合体およびモノクローナル抗体は細胞のEGF結合能に比例して結合し、経時的に取り込まれたが、蛋白合成阻害は10〜20時間後に過剰産生細胞のみにみられた。この結果は、EGF-リシンA鎖接合体による蛋白合成阻害がEGFR数に関係なく数時間以内に生じる現象とは全く異質の現象である。 以上の結果、このDDSによって癌細胞など過剰生産細胞の増殖を選択的に抑制できる可能性が高まり、またリガンド結合型と抗体結合型接合体の作用機序の解明にも役立つと期待している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shimizu,N.: "Epidermal Growth Factor Receptors in Lung Cancer." In Lung Biology in Health and Disease ¨Lung Cancer Differentiation¨, (eds) Bernal,S.D.and Baylin,S.,marcel dekker,inc.,New York. 137-158 (1992)
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[Publications] Shimizu,N.: "Terapeutic Application of Growth Factors;The EGF Receptor-Hyperproducing Tumors and Immuno-Targeting." Clinical Pharmacology and Therapeutics;Symposium 20. Abst. 63- (1992)
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[Publications] Komiyama,S.: "Heterogeneity in EGF-Responsiveness and Tumor Growth of Cell Lines derived from a Tumor of a Patient with Maxillary Cancer." Ann.Otal.Rhinol.Laryngol.101. 519-524 (1992)
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[Publications] 清水 信義: "サイトカインとサイトカイン受容体の遺伝子マッピング" 日本臨床、特集「サイトカイン・サイトカイン受容体」. 50. 2-4 (1992)
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[Publications] 蒲生 忍: "上皮増殖因子とそのレセプター:構造と機能" 日本臨床、特集「サイトカイン・サイトカイン受容体」. 50. 193-200 (1992)
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[Publications] 石戸谷 淳一: "頭頚部扁平上皮癌における癌抑制遺伝子p53の異常発現" 頭頚部腫瘍学会誌. (1993)