1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03557057
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
清水 慶彦 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00027111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧原 俊和 日本ハム株式会社, 中央研究所, 研究員
中村 達雄 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (70227908)
人見 滋樹 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (80173186)
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
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Keywords | 代用気管 / 人工臓器 / コラーゲン / 組織親和性 / 気管・気管支形成術 / マーレックス・メッシュ |
Research Abstract |
我々は以前よりコラーゲンと人工材料をグラフト重合させたコンポジットによる生体親和性の高い代用気管の開発を行ってきた。本年度はより臨床応用を目指して、下記の2項目に関しての研究を実施した。 1.長距離欠損用人工気管の改良と動物実験による有用性の検討 前年度作製した長距離欠損用人工気管は動物実験の結果、置換後早期に気管分泌物が材料に付着・貯留し、局所感染が高率に発生することが判明した。この為、分泌物排出促進と材料の感染予防の目的でシリコン製の内チューブを人工気管内腔に一時的に挿入・留置する方法を考案し動物実験で実施してみた。この結果、内チューブを留置しておいた1カ月間に材料は分泌物の付着とこれによる局所感染を免れ、これまでに成功を納めた短距離欠損用の人工気管と同様に人工気管は全例、自己組織の侵入により生体気管と完全に一体化した。また人工気管内腔の狭窄傾向も軽度であり、臨床応用に耐えられると考えられた。問題点としては内腔の上皮化が不完全である点である。 2.高張力下における人工気管の吻合に関する検討 臨床応用を考えた場合、代用気管が実際必要となるのはかなり広範囲の気管欠損が生じたときであり、この際吻合時にある程度の張力がかかることを想定しなくていけない。よって900-1000g重の抗張力下での人工気管の吻合実験を行った。この結果喀痰排出の対策を行えば、これほどの高張力下でも縫合不全を起こすことなく吻合が可能であることが判明した。
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Research Products
(19 results)
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[Publications] 清水 慶彦: "外科領域におけるコラーゲンの応用" 繊維学会シンポジウム予稿集. C-114-118 (1992)
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[Publications] 中村 達雄: "形状記憶合金ステントを用いた気道狭窄治療の新しいアプローチ" 気管支学. 14. 795-798 (1992)
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[Publications] Tatsuo Nakamura: "New Thermal Shape-Memory Ti-Ni Alloy Stent covered with Silicone" ASAIO Transactions. 38. M347-M350 (1992)
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[Publications] Tatsuo Nakamura: "New Thermal Shape-Memory Ti-Ni Alloy Stent covered with Silicone" ASAIO Abstracts. 21. 101- (1992)
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[Publications] Norihito Okumura: "The repcui-of tracheal defects using bioabsorbable mesh" ASAIO Transactions. 38. M555-M559 (1992)
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[Publications] 奥村 典仁: "吸収性meshによる気管補填における創傷治癒に関する検討" 人工臓器. 21. 328-333 (1992)
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[Publications] Norihito Okumura: "Study on the repair of tracheal defects using bioabsorbable mesh" ASAIO Abstracts. 21. 25- (1992)
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[Publications] Norihito Okumura: "Experimental study on a novel tracheal prosthesis made from collagen-grafted mesh" ASAIO Abstracts. 21. 101- (1992)
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[Publications] 奥村 典仁: "コラーゲン加工メッシュ製人工気管の実験的研究" 日本呼吸器外科学会雑誌. 6. 310- (1992)
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[Publications] 奥村 典仁: "コラーゲン複合化メッシュ製人工気管の実験的研究" 気管支学. 14. 268- (1992)
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[Publications] 奥村 典仁: "コラーゲン加工メッシュ製人工気管の実験的研究" 日本胸部外科学会雑誌(臨時増刊号). 40. 1535- (1992)
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[Publications] 奥村 典仁: "コラーゲン加工メッシュ製人工気管の実験的研究ー高張力下での吻合に関してー" 人工臓器. (1993)
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[Publications] 奥村 典仁: "コラーゲン加工メッシュ製人工気管の実験的研究ー高張力下での吻合に関してー" 日本人工臓器学会大会予稿集. (1992)
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[Publications] 奥村 典仁: "人工気管による気道再建の研究" 気管支学. (1993)
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[Publications] 中村 達雄: "形状記憶合金を用いた気道ステント材による気管気管支狭窄について" 日本気管食道科学会報. 43. 124-128 (1992)
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[Publications] Norihito Okumura: "Experimental study on a new tracheal prosthesis made from collagen-grafted mesh" ASAIO Abstracts. (1992)
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[Publications] 中村 達雄: "人工材料の呼吸器外科への応用" 日本医事新報. 3541. 8- (1992)
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[Publications] 夏目 徹: "バイオマテリアルとしてのコラーゲン" 生体材料. 10. 335-343 (1992)
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[Publications] Osamu Ike: "Experimental Studies on an Artificial Trachea of Collagen-coatid Poly(L-Lactic Acid)Meshor Unwoven Cloth Combines with a Periosteal Graf" ASAIO Transactions. 37. 24-26 (1991)