1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03557072
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Research Institution | TOHOKU University |
Principal Investigator |
曽根 敏夫 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (50005245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 公典 (株)小野測器, 研究員 取締役部長
浅野 太 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00231895)
鈴木 陽一 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20143034)
小林 俊光 東北大学, 医学部, 助教授 (80133958)
高坂 知節 東北大学, 医学部, 教授 (80004646)
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Keywords | 補聴器 / ラウドネス補償 / FFT / DSP / 感音系難聴 / 可搬型 |
Research Abstract |
前年度,小野測器に依頼して作成した可搬型ディジタル補聴器CLAIDHA IIIを用いて聴取実験を行い,その評価を行った.以下にその概要をまとめる. 1.様々な入力音に対し,広範囲な条件での聴取実験〓67の無意味単音節からなる音表を難聴者に提示し,単音節明瞭度試験を行った.実験は東北大学電気通信研究所防音室で行った.被験者は東北大学医学部耳鼻科より紹介されたボランティアの被験者5名である.防音室内は,多少の暗騒音が存在し,日常の会話環境に近い.従来型の補聴器と比較して実験を行った結果,可搬型ディジタル補聴器CLAIDHA IIIを用いた場合は,入力音声が小さい場合でも語音の弁別能の回復が見られ,その有効性が示された.しかし,一部の被験者では,可搬型ディジタル補聴器CLAIDHA III及び従来型の補聴器のいずれを用いた場合でも語音の弁別能の回復が見られなかった.これらの被験者は,母音の正答率が低く,補聴による語音の弁別能の回復が困難な被験者と考える. 2.実際の生活環境での評価 可搬型ディジタル補聴器CLAIDHA IIIを難聴者に携帯させ,実際の生活環境での評価を行った.被験者に求めたアンケートの結果から,特にテレビなどを受聴する際に聞き易いとの報告が得られた. 3.実験室で最適と判断された特性と,日常の生活環境で使用するのに適した特性の違い 上述の(1)と(2)の結果を比較した結果,実際の日常環境では,環境騒音を低減するため特に低音部の利得を減少させたほうがよいことが明らかとなった.この結果は,今後装用を進めて行く上での重要な知見となろう.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 黄維哲: "ラウドネス補償型補聴器CLAIDHAの実現に関する検討" 日本音響学会講演論文集. 439-440 (1994)
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[Publications] Yoiti Suzuki: "Frequency characteristic of the loudness perception" Results of the Sixth Oldenburg Symposium on Psychological Acoustics. 193-221 (1993)
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[Publications] 佐藤庄衛: "音素弁別素性ごとの情報伝達率を用いたディジタル補聴システムCLAIDHAの評価の試み" 日本音響学会聴覚研究会資料. H-92-52. (1992)
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[Publications] F.Asano: "A digital hearing aid system that compensates for lack of loudness" Proc.International Symposium on Speech and Hearing Science. 122-133 (1991)
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[Publications] F.Asano: "A digital hearing aid that compensates loudness for sensorineural impaired listeners" Proc.ICASSP'91. 3625-3628 (1991)
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[Publications] 浅野太: "ラウドネス補償特性を有するディジタル補聴器の一構成法" 日本音響学会誌. 47-6. 373-379 (1991)