1991 Fiscal Year Annual Research Report
p53癌抑制遺伝子の構造発現異常を指標とする口腔癌の分子診断
Project/Area Number |
03557075
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
土田 信夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (60089951)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 信義 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90014258)
池田 正明 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20193211)
榎本 昭二 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (40013940)
山本 肇 東京医科歯科大学, 名誉教授 (60005014)
|
Keywords | 口腔癌 / 扁平上皮癌 / p53 / 抗p53抗体 / 免疫組織化学 / PCR / SSCP |
Research Abstract |
本研究は口腔癌の80%以上をしめる扁平上皮癌(SCC)のp53遺伝子に焦点をあて、この遺伝子の異常を迅速に検出する系を確立し、口腔癌の分子診断法を開発する事を最終目的とした。このため本年度においては分子生物学的、および免疫組織化学的手法を用いて、口腔SCC細胞におけるp53遺伝子の構造・発現異常を検討し以下の成果を得た。 (1)PCR-SSCP法、PCR増幅DNA断片による塩基配列決定法を用いて、p53遺伝子変異の有無、変異の内容を明らかする方法を確立した。 (2)この方法を用いて15の口腔SCC細胞株のうち14株(93%)にp53遺伝子変異を見いだし、さらに変異の内容を明らかにした。また27症例の口腔SCCの手術材料についても、17例(63%)に変異を見いだし、その一部の症例については変異の内容をあきらかにした。これらの事実からp53遺伝子変異が口腔SCC発症に深く関与し、従ってSCCの分子診断マ-カ-となりうることが明かとなった。 (3)抗p53単抗体を用いて免疫組織化学的にSCC細胞におけるp53蛋白質の異常発現を調べ、分子生物学的手法を用いて明らかにした変異の有無・内容と比較検討した。その結果抗体を用いる方法には限界がある事、つまり(a)nonsense変異をもつp53を検出できない事、(b)missense変異をもつp53は過剰発現するが、これらのすべてが変異型特異的単抗体PAb240で検出されるわけではない事、(c)これらの単抗体はパラフィン組織切片でのp53の異常発現を調べることはできない事が判明した。しかしポリクロ-ナル抗体を用いて発現異常を検索する事ができた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] E.Sakai,and N.Tsuchida: "Most human squamous cell carcinomas in the oral cavity contain mutated p53 tumor suppressor genes." Oncogene. (1992)
-
[Publications] R.Rikimaru,K.Tadokoro,T.Yamamoto,S.Enomoto,and N.Tsuchida: "Gene amplidication and overexpression of epidermal growth factor receptor in squamous cell carcinoma of head and neck cancer." Head & Neck. 14. 8-13 (1992)
-
[Publications] 大島 朋子: "ヒト骨肉腫細胞における癌抑制遺伝子の関与" 口腔病学会雑誌. 58(1). 310-328 (1991)
-
[Publications] E.Hara,T.Ohshima,T.Ishii,W.Sugino,K.Tsutsui,S.Nakada,N.Tsuchida,and K.Oda: "Mechanism of induction of cellular DNA synthesis by the adenovirus EIA 12S cDNA product" Exp.Cell Res.,. (1992)