1991 Fiscal Year Annual Research Report
非放射性DNAプロ-ブによる歯周病原菌の同定法の確立と臨床応用
Project/Area Number |
03557081
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石川 烈 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (10014151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 聡志 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (40221642)
梅田 誠 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90193937)
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Keywords | DNAプロ-ブ / 歯周病原細菌 / 細菌同定 / 非放射性 / Porphyromonas gingivalis |
Research Abstract |
昨年我々はDNAをスルホン化することにより標識し、これに対するモノクロ-ナル抗体を用いて標的細菌を検出するDNAプロ-ブの実用化を試みた。その結果Porphyromonas gingivalis(P.g.),Prevotella intermedia(P.i.)より抽出した全菌体DNAプロ-ブは、実験株同定時において感受性、特異性が高いことが確認され、培養を必要としない歯肉縁下プラ-クよりの直接的な細菌検定が可能であるとの基礎的な結果が得られた。そこでさらにP.g.に対するプロ-ブを臨床サンプルに応用し、さまざまな臨床症状との比較検討を行なった。成人性菌周炎と診断された患者8名(780部位)より、ペ-パ-ポイント法により歯肉縁下プラ-クサンプルを採取した。その約1/20量をフィルタ-上にブロットし、P.g.プロ-ブとハイブリッド形成させた。その結果P.g.は被験者すべてから検出され、その検出頻度は38%にのぼり、歯周炎患者ではP.g.が広く口腔内に分布していることが認められた。またポケットが深くなるにしたがいその検出率は上昇し、ポケットの深さが6mm以上で80%、8mm以上で90%であった。またP.g.の存在量とポケットの深さの間に直線的な相関関係は認められなかったものの、多量のP.g.の存在と4mm以上のポケットの存在の間には強い相関が認められた。さらにプロ-ビング時の出血においても多量のP.g.の存在との間に相関が確認された。そのほかGI、PlIについてはP.g.の存在との間に相関は認められなかった。 以上の結果より、P.g.は広く口腔内に分布しており、その量的な増加が認められた場合においては歯周組織の破壊と結びついている可能性が示された。これらの研究結果は1991年IADR学会、第17回日本歯科医学会総会にて報告を行なった。
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[Publications] Takehisa Kojima: "Identification of B.gingivalis with bisulfite modified DNA probe" Journal of Dental Research. 70. 505- (1991)
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[Publications] 石川 烈: "歯周疾患の免疫学的診断法及び非放射性DNA probeの確立による治療法の決定" 長寿科学総合研究. 2. 484-486 (1991)