• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1993 Fiscal Year Annual Research Report

新しい免疫抑制物質の医薬品への応用のための生化学的研究

Research Project

Project/Area Number 03557103
Research InstitutionKYOTO UNIVERSITY

Principal Investigator

川嵜 敏祐  京都大学, 薬学部, 教授 (50025706)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐々木 重夫  台糖株式会社, 研究所, 副主任研究員
小堤 保則  京都大学, 薬学部, 助教授 (70205425)
伊藤 信行  京都大学, 薬学部, 教授 (10110610)
井上 謙一郎  岐阜薬科大学, 教授 (40025713)
藤多 哲朗  京都大学, 薬学部, 教授 (40027024)
Keywords免疫抑制剤 / IL-2 / IL-2受容体 / スフィンゴシン / シグナル伝達 / T-細胞
Research Abstract

昨年までに、免疫抑制剤ISP-1に対する結合タンパク質に関する研究を行ってきたが、最終年度は、このISP-1の作用機構に関する研究を行った。
抗原刺激によるT細胞活性化機構は大きく二つに分けることができる。第一は、T細胞受容体に抗原が提示され、そのシグナルが最終的にIL-2の産生を促す過程。次に、産生されたIL-2がIL-2受容体に結合しT細胞の分裂を引き起こす過程。前者は、「T細胞受容体シグナル経路」、後者は、「IL-2受容体シグナル経路」と呼ばれる。種々の免疫抑制物質のうち、シクロスポリンAやFK506は前者の経路を、ラパマイシンは後者の経路を阻害することが知られている。そこで、ISP-1がどちらの経路を阻害するかを検討したところ、ISP-1はIL-2の産生は阻害せず、後者のIL-2受容体シグナル経路のみを阻害することが明らかになった。
次に、IL-2依存的に増殖をするCTLL-2細胞の系を利用して、ISP-1のアンタゴニストの検索を行ったところ、ISP-1類似物質であるスフィンゴシンがアンタゴニストとしての強い活性を有していた。スフィンゴシンは生体内で種々物質と結合し、スフィンゴ脂質として存在し、それらのいくつかは、細胞内シグナル伝達のメッセンジャーとして働いていることが知られている。
さらに、スフィンゴシンISP-1阻害活性機構について検討を加えたところ、ISP-1は、スフィンゴシンの生合成系を阻害することでCTLL-2の増殖を阻害し、外から加えられたスフィンゴシンは、ISP-1によるスフィンゴシン生合成の阻害を補うことで、ISP-1に対してアンタゴニストとして働いていることが推測された。
以上の知見は、IL-2受容体シグナル経路のより一層の解明に役立つとともに、今後、スフィンゴシン合成系の阻害効果を指標にして、新たな免疫抑制剤の開発を行なえる可能性を示唆している。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Tetsuro Fujita: "Fungal met abolites.Part11.Potent immunosupprosive acticity found in lsaria sinclairii metabolite" J.Antibotics. (発表予定). (1994)

URL: 

Published: 1995-02-08   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi