1992 Fiscal Year Annual Research Report
内在性カルシウムチャンネル活性化因子の同定及び特異的抗体作成による臨床検査法開発
Project/Area Number |
03557108
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牧 正敏 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (40183610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 弘 国立京都病院, 臨床検査科, 内科医長
亀山 正樹 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60150059)
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Keywords | カルシウムチャンネル / カルパスタチン / カルパイン / スプライシング / PCR |
Research Abstract |
1.カルパスタチンのL型Caチャンネルに対する作用機序を調べる目的で、モルモット単一心筋細胞を用い、inside-outパッチクランプ法で研究を行った。組織型と赤血球型カルパスタチンのCaチャンネル活性維持力の違いから、組織型の分子特性で、N末端を含む領域ドメインL(赤血球型では欠損)が重要ではないかと考え、その効果を検討した。大腸菌で組換えドメインLを生産して用いた結果、Caチャンネル活性化に効果は認められたが、その効力は弱く、cell-attachedパッチでのチャンネル活性を100%としたときの10-20%であった。この点については、1)カルパスタチンには、選択的スプライシングによる分子多様性があり、発現させたドメインLは肝蔵由来mRNAをクローニングしたもので、心筋型と比較し22アミノ酸残基の欠損部位が存在している。2)カルパスタチン効力を発揮させるにはATPの存在が必要であるが、ドメインLだけではATPが十分に働けない。3)他の細胞内因子がCaチャンネル活性化維持機構には必要である。等の原因が考えられるが、心筋型ドメインLを用いるなど、更に検討する必要がある。 2.カルパスタチンmRNAの分子多様性を、逆転写PCR法によって調べ、またヒトゲノムDNAの解析を行うことによって、組織特異的に選択的スプライシングがあることが判明した。心筋は非欠損型が主であるのに対し、肝蔵はエキソン3欠損型が主であった。脳や線維芽細胞は混合型であった。 3.赤血球カルパスタチンは、ドメインLと1を欠損していると報告されてきたが、ドメインLの抗体を作製しウエスタンブロッティングすると少量ではあるが、組織型が存在すること、および赤芽球系培養細胞ではエキソン3欠損型が発現していることが判明した。
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[Publications] Lee,W.J.et al: "Molecular diversity in amino-terminal domains of human calpastatin by exon skipping" Journal of Biological Chrmistry. 267. 8437-8442 (1992)
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[Publications] Adachi,Y.et al: "Expreeion of calpain II gene in human hematopoietic system cells infected with human T-cell leukemia virus type I" Journal of Biological Chrmistry. 267. 19373-19378 (1992)
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[Publications] Takano,E.et al: "Molecular diversity of calpastatin in human erythroid cells" Archives of Biochemistry and Biophysics.
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[Publications] Ma,H.et al.: "Requirement of different subdomains of calpastatin for calpain inhibition and for binding to the calmodulinlike domains" Journal of Biochemistry.
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[Publications] 榎森 康文: "カルパインとカルパスタチンー構造と機能" 生化学. 64. 1201-1224 (1992)
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[Publications] 亀山 正樹: "心筋Caチャンネルとその調節" 実験医学. 10. 605-610 (1992)
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[Publications] 亀山 正樹: "心筋細胞Caチャンネルの活動維持機構" 心臓. 25. 199-201 (1992)