1991 Fiscal Year Annual Research Report
人文系研究者のためのポ-タブル型日本語方言音声分析システムの開発研究
Project/Area Number |
03558005
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
三輪 譲二 岩手大学, 工学部, 助教授 (60125664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水島 保孝 デイテル(株), 技術部, 部長
今石 元久 広島女子大学, 文学部, 教授 (80093574)
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Keywords | 音声 / 音声分析 / 方言 / 日本語 / ポ-タブル型 / 人文系研究者 / 方言音声 / 日本語音声 |
Research Abstract |
方言音声は、学校教育やテレビ等の影響により変化しつつあり、急速に方言が矢われつつある現在、方言音声の音響分析による記述と比較の研究は、日本文化や社会的な観点から非常に緊急で重要な課題となっている。このため、本研究では、ポ-タブル型のノ-トパソコンを用いて、高価なソナグラムの実験機器と同等以上の音響分析機能を持ち、さらに、人文系の研究者にも使い易く、方言調査の現地へ携帯可能な対話型の音声分析システムを開発することを目的として研究を行った。 1.音声分析システムのハ-ドウェアとして、企業に所属する共同研究者と数回の研究打ち合せを行い、ノ-ト型パソコンにケ-ブルを介して接続可能な、小型のディジタル音声入出力装置を試作した。この装置には、アンプ、低域通過フィルタ、A/D,D/A変換器等の方言音声のディジタル入出力に必要な機器の全てを含んでいるにもかかわらず、LSIを用いて1枚のボ-ド内に納めることに成功し、ポ-タブル化に必要な小型化を実現した。また、あらゆるディジタルソ-スに対応するため、低域通過フィルタの遮断周波数をプログラム可変とする機能を付けた。 2.音声分析システムのソフトウェアとして、(1)音声を視覚化表現するソナグラフ(声紋)を表示する機能、(2)方言のアクセント記述のための基本周波数の抽出機能、(3)方言の母音体系の記述のための調音位置を表すオホルマント周波数の抽出機能、さらに、(4)方言の拍数の記述のための音素の持続時間の計測の機能等を、実現するプログラムを作成した。特に、パソコンの拡張メモリ機能を用いることにより、長時間の方言音声を、連続的に分析処理することが可能となった。 3.人文系研究者が、実際に日本語方言音声の収集と分析処理を行うことにより、システムの問題点を整理し、次年度への研究課題とした。
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[Publications] 三輪 譲二: "ポ-タブル型音声分析システムの開発" 日本音響学会春季講演論文集. 291-292 (1992)
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[Publications] 三輪 譲二: "パソコン音声処理" 昭晃堂, 186 (1991)