1992 Fiscal Year Annual Research Report
金属燃料サイクル再処理プロセスを目的とした新電解法の開発
Project/Area Number |
03558023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 靖彦 京都大学, 工学部, 教授 (20026066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常磐井 守泰 (財)電力中央研究所, 金属燃料研究室, 室長
河野 益近 京都大学, 工学部, 教務職員
森谷 公一 京都大学, 工学部, 教務職員 (50111943)
森山 裕丈 京都大学, 工学部, 助教授 (90127150)
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Keywords | 高速増殖炉 / 金属燃料サイクル / 溶融塩電解 / ランタノイド / アクチノイド / 核分裂生成物 / ジルコニウム / イットリウム |
Research Abstract |
近年、高速増殖炉(FBR)革新技術として金属燃料FBRサイクルが注目されているが、その成否は使用済金属燃料の再処理技術の確立にかかっているとして過言ではない。この再処理プロセスにおいては、溶融塩電解プロセスがその中核を占めることになる。本報告者らは、この溶融塩電解プロセスにガス電極や固体電解質を組込むことによって、安全かつ高効率な、全く新しいタイプの電解プロセスを構築することができるとの提案を行い、これを実現するための基礎研究ならびに工学的検討をすすめた。 本年度に得られた成果、知見をまとめると次のようになる。 1.ランタノイド核種の化学的性質を代表する元素としてイットリウムを選び、溶融塩化物中でのイットリウムの電気化学挙動について、サイクリックボルタンメトリー、クロノポテンショメトリー、回転電極法、開回路ポテンショメトリーなどを駆使して検討し、標準単極電位や拡散係数を決めることができた。 2.溶融塩と液体金属の間でのアクチノイドや核分裂生成物の分配係数について検討し、これら核種の電子構造と分配係数との間の相関を明らかにした。また、この相関性にもとずいて、実験室的には測定が因難な核種の分配係数を予測できることを示した。 3.溶融塩化物中の微量酸素イオンの存在が、酸化物やオキシクロライドの沈澱生成をひき起こすこと、また、それら化合物沈澱の安定存在領域が熱力学的に予測できることを示した。また、この予測を実験によって立証した。 4.電解槽に用いるセラミックにジルコニウム金属が皮膜状に析出する現象について検討し、その成因を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Hikino,Gang Xie,K.Ema,Zhan Min shou,and Y.Ito: "Electrochemical Behaviour of Yttrium Ion in LiCl-KCl-NaCl Eutectic Melt" J.Electrochem.Soc.139. 1820-1824 (1992)
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[Publications] H.Moriyama,T.Seshimo,K.Moritane,and Y.Ito: "Pyrochemical Separation of Actinides and Fission Products" Proc.4th Japan-China Bilateral Conference on Molten Salt Chemistry and Technology. 83-86 (1992)
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[Publications] Y.Ito: "Electrochemistry of Yttrium in a Molten Chloride System" Proc.Internaitonal Symposium on Molten Salt Chemistry and Technology. (1993)
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[Publications] 河瀬 誠,多田 正行,伊藤 靖彦: "セラミック上へのZrおよびZr合金皮膜の電解形成" 表面技術. 44. (1993)