1991 Fiscal Year Annual Research Report
DNA研究のための新手段スラロ-ムクロアトグラフィ-
Project/Area Number |
03559006
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
笠井 献一 帝京大学, 薬学部, 教授 (40001052)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 尚史 旭化成工業(株), 医療科学研究所, 主任研究員
野口 康二 旭化成工業(株), GS開発室, 部長
平林 淳 帝京大学, 薬学部, 助手 (40156691)
|
Keywords | スラロ-ムクロマトグラフィ- / DNA / 環状DNA / ス-パ-コイル / リラックス / 付着末端 / λ-ファ-ジ |
Research Abstract |
スラロ-ムクロマトグラフィ-は、本研究者らが発明したDNAを大きさに従って分離する画期的新手法である。まったく新しい原理にもとづいているため、その機構解明には大きな興味が持たれるが、実用の面からも多大な可能性を秘めている。分離機構の解明を目指した実験としては、DNA分子の形の影響を調べるため、これまでの直鎖状DNAに代って環状DNAを用いた。その結果、ス-パ-コイル、リラックス、シングルストランドなど、トポロジ-の異なるものでは、流速依存性がまったく異なり、スラロ-ムクロマトグラフィ-をDNAの高次構造研究の手段としうることがわかった。また環状DNAは流速が十分に大きい時には、同じ分子量の直鎖DNAの半分の長さに相当する位置で溶出することからも、スラロ-ムクロマトグラフィ-が基本的には分子の長さに依存することが再確認された。また理論的にも、これらの実験結果を説明できる十分に単純化したモデルを作ることができた。実用面での本法の現時点での弱点は、分画できる分子量の範囲が限られていることである。これを克服することを目指して、球状以外の充填剤、たとえば珊瑚樹枝状のハイドロキシアパタイトなどを試みたが、さまざまな難点があり今後さらに新しい発想にもとづく充填剤を開発する必要があろう。本法はDNAの大きさの変化を検出できることから、その面での応用への一環として、λ-ファ-ジの付着末端の相互作用を解析することを試み、有効に利用できることを確認した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Hirabayashi,J: "Application of slalom chromatography to study of biochemical and Physicochemical Properties of circular DMAs."
-
[Publications] Kasai,K(Ngo,T.T.ed): "Molecular Interactions in Bioseparation" Plenum Press,