1992 Fiscal Year Annual Research Report
NMRによるヒトがん組織の抗がん剤の治療効果判定のためのソフトウェアの開発
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03559009
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Research Institution | Yatsushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
山崎 政城 八代工業高等専門学校, 生物工学科, 教授 (80040286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 高雄 熊本整形外科病院, 内科医長
本田 五男 熊本整形外科病院, 研究部長
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Keywords | NMR / 緩和時間 / Malignancy Index / ヒト腫瘍 / 抗がん剤 / 悪性度 / 良性腫瘍 / 悪性腫瘍 |
Research Abstract |
本科学研究費補助により、ヒト腫瘍組織からMalignancy Indexを迅速かつ的確に求めるためのソフトウェアを開発し、NMRの緩和時間から求められるヒト悪性腫瘍のMalignancy Indexによる(1)悪性の診断の可能性(2)悪性度の評価の可能性(3)抗がん剤の効果判定の可能性について検討を行っている。 ヒト腫瘍の抗がん剤感受性には個体差があり、正確で信頼性のある効果判定の方法の確立が期待されている。平成4年度は、MalignancyIndexによるヒト骨腫瘍の抗がん剤効果判定の可能性について検討し、次の結果を得た。 ヒト骨腫瘍について、抗がん剤未使用の腫瘍組織と抗がん剤投与後の腫瘍組識のMalignancy Indexを比較すると、抗がん剤投与後の腫瘍組織のMalignancy Indexは5.2〜5.5を示し、抗がん剤未使用の腫瘍組織のMalignancy Indexは6.1〜6.2を示し、予後とは無関係に抗がん剤の投与効果に比例して、腫瘍組織のMalignancy Index(悪性指標)が低下することが明らかになった。 さらに、悪性腺維性組織球腫の生検時および抗がん剤使用後切断時の腫瘍組織の例でも、生検時の腫瘍組織は明らかに悪性群のMalignancyIndexを示したが、切断時では非悪性群の値を示した。組織学的に切断時の腫瘍組織は、大星らの判定基準のGradeIIIに相当する抗がん剤の効果を認めた。これらの結果から、Malignancy Indexが抗がん剤の効果判定の指標となり、予後を類推する上でもきわめて有用な診断法であることが明らかになった。 本研究により、NMRの緩和時間から求められるMalignancy Indexがヒト腫瘍の(1)悪性診断(2)悪性度の評価(3)抗がん剤の治療効果の判定に有用であることが明らかにされたが、今後さらに多数の症例の検討が必要であると考えている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hirayama,F.: "Prominent Inclusion Effect of Dimethyl-β-Cyclodextrin on Photoisomerization of a Thromboxane Synthetase Inhibitor." J.Pharm.Sci.81. 817-822 (1992)
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[Publications] Kurihara,M.: "Preparation of Heptakis(2,6-di-o-ethyl)-β-Cyclodextrin and Its NMR Spectroscopic Characterization." Pharm.Res.9.