1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03610039
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中澤 潤 千葉大学, 教育学部, 助教授 (40127676)
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Keywords | 社会的情報処理 / 社会的認知 / 社会的適応 / 社会的問題解決 |
Research Abstract |
従来,社会的発達の研究と情報処理の研究は別個のものとされてきた。しかし,個人の社会的行動の基盤に,対人的な場における情報処理が関与していることは明らかである。 本研究では,幼児期から児童期にかけての縦断的検討を行う。幼少期の情報処理様式は児童期にも持続されるのか,また,それは社会的行動にどのように影響するのかを見るのが必要な目的である。 本年度は以下の諸点の検討を行った。 1.立献的検討 社会的行動における認知過程を取り上げた文献の収集と整理を行った。これを基に,社会的行動と認知過程に関する歴史的展望を行い,次いで,そのもっとも発展した理論であるDodgeの社会的情報処理研究を子どもの適応との関連からまとめた。これについては,千葉大学の紀要に報告した。さらに,この検討を通して,従来の諸理論では社会的なメタ認知や情緒との関連の位置付けが不十分であることが明らかになった。そこで,社会的メタ認知過程と情緒制御過程を考慮した社会的情報処理過程のモデルを構成した(未発表)。 2.実験的検討 社会的情報処理査定用の刺激ビデオを作成した。社会的問題解決場面と,その選択肢としての解決方略を示したビデオを,幼児用・児童用に性別に4種。この刺激ビデオ視聴の際の眼球運動の測定を行い,適切な社会的手掛り(登場人物の表情など)への注視頻度,時間,注視パタンの検討を行った。 次年度には査定用ビデオを提示し,ビデオに登場する子どもの行為の意図の読取りや解釈,適切な対処方略の算出や選択を面接質問を通して個別に査定し,攻撃児,犠牲児などの個人差,年齢差による差異を比較する。
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Research Products
(1 results)