1991 Fiscal Year Annual Research Report
幼児における文字の読み書きと読者の技能と信念に関する縦断的研究
Project/Area Number |
03610041
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
無藤 隆 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (40111562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴坂 寿子 お茶の水女子大学, 家政学部, 講師 (50221297)
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Keywords | 幼児 / 文字 / 読み書き能力 / 読書 / 幼稚園 / 家庭 / 親の認知 / 縦断研究 |
Research Abstract |
本研究は、幼児期において、次の4点についての2年間の縦断研究を行なう。(1)きちんとした読み書き以前の萌芽的技能、(2)(かなで構成された)単語や文の読み、(3)読み書きの機能の理解、(4)読み書きと読書との関係。(5)それらと家庭環境との関連。本年度はその第1年目として、幼稚園の3〜6歳(年少・年中・年長)児計150名に対して、6月に、かな文字の読み、かなからなる単語(自分の名前を含む)の読みをテストした。また、文字を含む主要な活動やその対象(文字の読み書き自体、絵体)についてその手順と働きなどの知識を尋ねた。絵本を読むときの読み方を調べた。並行して、幼稚園での絵本の読み聞かせ活動について予備的に観察した(本格的には来年度行なう)。6・7月に4つの幼稚園で親300名への質問紙調査を実施した。特に、家庭での文字・本に関連した活動をどの程度行なっているかと、親の文字・本に関した信念を尋ねた。1982年の1・2月に再度同じ子どもへの調査を実施した。項目は第1回と同様である(簡単な文の読みを加えた)。以上から、かな文字の読みの半年間での大幅な伸びが確認された。その特に最初に読まれる文字の要因は、子どもの名前、読みの易しさなどが効いているが、必ずしもそれで完全には説明されなかった。自分の名前からよみだす子どもがある程度見いだされた。文字を覚えるきっかけとして手紙が多く挙げられたが、これはこの幼稚園の実践(お手紙ごっこ)を反映していよう。読書機能の獲得の順序は次のように想定できた。まず、物よび人との関係において本をいじること、親が相手するこという「外生的」機能。次に、本を読むと親がほめてくれる、楽しいなどの行為の結果。第3に、特に知識を得られることが並行する機能として気付かれる。親は全般に読み聞かせを大変望ましいこととし、親の中であまり本を読ませない者は読ませる者と比べ、外生的機能をより重視していた。
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[Publications] 秋田 喜代美,無藤 隆: "読書の印象と概念" 日本心理学会第55回大会発表論文表. 55. 387 (1991)
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[Publications] 無藤 隆,秋田 喜代美: "読書の機能" 日本心理学会第55回大会発表論文集. 55. 388 (1991)
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[Publications] 秋田 喜代美,無藤 隆: "幼児期の読み聞かせに対する母親の考え方" 日本発達心理学会第3回発表論文集. 3. 111 (1992)
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[Publications] 無藤 隆: "子どもの生活における学習と発達" ミネルヴァ書房, 230 (1992)