1991 Fiscal Year Annual Research Report
産業構造の変動と地域社会の変動・再編に関する比較研究
Project/Area Number |
03610074
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
北島 滋 宇都宮大学, 教養部, 教授 (80109735)
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Keywords | 波紋型企業立地 / 圏域型企業立地 / アメニティ効果 / 三角型機能連環 |
Research Abstract |
平成3年度の調査は主として北海道央テクノポリス(北海道庁、札幌、千歳、苫小牧の各市、)道央テクノ立地企業、熊本テクノポリス(熊本県庁、熊本市)、熊本県長洲町役場及び長洲町に立地している(株)日立造船へのインテンシヴなヒアリングト資料収集を実施した。 これまでの研究で得られた知見として摘出できた事柄は次の通りである。 1.ハイテク型企業立地の型には2つのパタ-ンがあること。それらは波紋型立地と圏域型立地である。前者は北関東、山梨及び静岡にみられるパタ-ンである。後者は県都あるいはそれに準じる都市を中心に立地する型である。 2.その原因は、ME技術革新が東京圏にあえて工場を立地させる必要性を希薄化し、それ以外の地域との工場間分業を可能にしたこと、一極集中の矛盾が東京圏での立地を物理的(電気、水等)に不可能にしたこと、通信技術の発展が地方への分散を可能にしたこと、そして東京圏における労働力確保を困難にしていることである。これらをPush要因と呼んでおこう。 3.これに対して労働力確保の容易性、安価な土地価格等の通常のPull要因に加えて、住機能ー都市機能(消費、教育、情報、遊等)ーリゾ-ト機能の三角型機能連環から誘発される企業立地のためのアメニティ効果要因の摘出である。 このPushーPull要因の相乗効果によって企業立地が規定される。東京圏を囲む北関東、山梨のゾ-ンは、この3角型機能連環から誘発されるアメニティ効果が最も高い。従って企業はこれらの地域に波紋を描くように立地しつつある。これに対して熊本、道央は、首都圏と同様3つの機能が整備され、それに対応して企業立地が進展するという同一の傾向がみられる(圏域型)。 平成3年度は過疎地域の調査は実施していない。これらの地域を前記した機能連環の視点から分析するのが4年度の研究の狙いの1つである。
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Research Products
(1 results)