1991 Fiscal Year Annual Research Report
地域の活性化と若者の役割ー熊本県下における地域づくりの現状と展望ー
Project/Area Number |
03610083
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Research Institution | Kumamoto Women's University |
Principal Investigator |
米澤 和彦 熊本女子大学, 生活科学部, 教授 (90108621)
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Keywords | 地域づくり / 「うしぶか未来グル-プ」 / 地域づくりの″類型化_″ / 「伝統的志向・民間主導型」 / 「伝統的志向・行政主導型」 / 「近代的志向・行政主導型」 / 「近代的志向・民間主導型」 |
Research Abstract |
今年度は熊本県下における「地域づくりグル-プ」の面接調査を実施するとともに、九州大学や信州大学等の研究機関において、地域づくりに関する基礎資料の蒐集を行った。 とりわけ今回は、面接調査の対象として、牛深市「うしぶか未来グル-プ」と蘇陽町の「商工青年部」をとりあげたわけであるが、牛深と蘇陽を比較してみると、地域づくりに対する若者たちの取りくみに、かなりの相違がみられる。 牛深市のばあい、民間の地域リ-ダ-Y・S氏(40才)を中心に、ハイヤおどりを軸とした民間生導型の地域づくりを目指している。また、熊本青年塾を中心とするCCAプログラム(地域づくり活動活性化計画)にも参加し、「ザ・ハイヤ」というテ-マのもと、伝統的な郷土のお座敷芸の復活をめざしている。行政も市役所のK・Y氏(41才)とR・T氏(38才)の2人を中心にこのグル-プを積極的に支援している。 一方、蘇陽町のばあい、「商工青年部」をはじめ、いくつかの民間団体が存在するが、その活動はまだ充分とはいえない。むしろ、行政、すなわち役場の企画観光課を中心に「青年部」に働きかけていく段階であり、今後、行政主導型の新たな展開が期待される。 この他、県下10ヵ所において、資料の蒐集と聞取り調査を実施したが、熊本県における地域づくりは次のふたつの分析軸、すなわち「伝統的志向」・「近代的志向」をタテ軸に、「行政主導」・「民間主導」をヨコ軸に設定することによって、次の4つのタイプの類型化が可能となる。(1)「伝統的志向・民間主導型」、(2)「伝統的志向・行政主導型」、(3)「近代的志向・行政主導型」、(4)「近代的志向・民間主導型」、この4つのタイプである。今後、この4つのタイプを軸に、県下94市町村における地域づくりの″類型化_″が残された課題である。
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Research Products
(1 results)