1991 Fiscal Year Annual Research Report
健康日記調査法による病い行動と社会的ネットワ-クに関する研究
Project/Area Number |
03610084
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
田邉 信太郎 国際武道大学, 体育学部, 助教授 (40188363)
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Keywords | 健康日記 / 病い行動 / 社会的ネットワ-ク |
Research Abstract |
本年度の研究は、健康日記、病い行動等に関する国内及び国外文献の収集と検討、健康日記による予備調査の実施、そしてこれらの結果に基づいて本調査の実施というスケジュ-ルにより行われた。 文献研究についての知見は以下の如くである。当初、記憶の補助として用いられ始めた健康日記調査は欧米で半世紀ほどの歴史があるが、我が国では1980年代になり、病い行動やセルフケアとの関連から、本格的調査が始められるようになった。これらの対象は一般住民が大部分であり、期間は1か月程度というものが平均的である。結果はさまざまな内容が報告されているが、国外と国内のものを比較すると、前者では心理的問題が比較的多いのに対して、後者ではごく少なく、いわゆる“身体化"という特徴が指摘されている。また、日常的な病いへの対処については、放置・観察や医師の処方によらない民間薬の服用が大半であり、現代医療への受診は氷山の一角であるという結果が一般的である。なお本研究のように、子どもを中心とした研究や民間療法に通う患者の研究はほとんど見られない。 これら検討結果に基づいて、本研究では子ども(都市部と山間部)と民間療法の患者(成人が中心)を対象とすることに定めて、1991年10月から11月に分かけて、予備調査を実施した。予備調査では、質問票の構成及び質問文の内容についての検討を中心課題とした。その結果、数次の改訂を経て、本調査の質問票を作成しおえた。 本調査は、上記の対象に対して、1991年12月から開始した。この調査はおよそ1年間を目標にしており、1992年3月現在も継続中である。したがって、本調査についての分析結果は次年度に待たなければならない。今後の研究は、調査を継続しながら、各事例・地域の社会的背景の分析等を加味して遂行する予定である。
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