1991 Fiscal Year Annual Research Report
農村計画への社会学的アプロ-チに関する実証的基礎研究
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03610100
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Research Institution | Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
青木 辰司 秋田県立農業短期大学, 農村生活学科, 助教授 (50141073)
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Keywords | 農村計画 / 住民自治 / 政策決定過程分析 / 自治公民館活動 / 住民参加 |
Research Abstract |
1.農村計画に関する文献研究 農村計画に関する社会学的文献、及び農業経済学、農業工学、環境工学等の分野における文献を収集し、我が国における農村計画研究の現状認識を深めた。その結果、農村計画にとって重要な側面である政策決定過程、特に行政施策の形成と住民参加、及び政策に対する住民の評価に関する研究が僅少であることが判明した。 2.中山間地域における農村計画の事例研究 中山間地域における農村計画の事例研究の調査対象地として、宮崎県東諸県郡綾町、及び山形県東置賜郡高畠町を選定し、行政施策の展開と住民の自治活動のあり方についての資料収集、及びリ-ダ-のオピニオン調査を行なった。綾町は昭和41に町長に就任した郷田実氏の卓抜した行政手腕によって、「自然生態系重視の地域振興」を具現している数少ない農村の一つである。区長制の廃止によって住民の自治活動を振興しようとする自治公民館制度は、「綾方式」と呼ばれる程の社会的評価を得るに至っている。過疎化に歯止めをかけた行政施策に対する住民の評価も高く、集落単位の自治公民館活動も着実に根付き始めている。一方高畠町は有機農業運動の地域的展開がみられ、地区公民館を中心として農業を核とした地域振興に向けた住民の自主的な研修組織が形成されている。以上2つの事例研究を通して、農村計画における住民参加に対して、公民館を中心とした社会教育活動の意義が大きいことが明らかとなった。 3.今後の研究計画 住民の農村計画に対する意識構造の分析をより深めるために、集落単位に住民の意識調査を企図している。特に世帯主及び小・中学生の意識を両地区で比較検討し、地域特性との関連への認識を深めたい。
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Research Products
(1 results)