1992 Fiscal Year Annual Research Report
在日外国人子女教育の研究ーー異文化体験に果たす外国人学校・国際学校の役割
Project/Area Number |
03610136
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
國枝 マリ 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (00205105)
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Keywords | 海外子女教育 / 在日外国人子女 / インターナショナル・スクール / 国際学校 / 外国人学校 / 異文化体験 / 母国文化 / アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究は、在日外国人子女が日本という異文化のなかでどのように勉学し、日本文化と接触し、さらに母国文化を保持しているか、また、彼らのアイデンティティの問題はどうなっているかということを明らかにし、もう一度「国際化」という視点から海外子女教育をグローバルに考察しようとしたものである。 昨年度まで、在日外国人学校のなかでも、主としてヨーロッパ・アジア・アメリカ等それぞれの母国の管轄下におかれた学校を中心として調査研究をおこなってきた。今年度はそれをもとに国際学校を主たる研究の対象とし、北海道、聖心、清泉、広島、西町のインターナショナル・スクールにおいて、その教育理念、運営の状況、教育活動、日本文化との接触等について資料収集ならびに調査をおこなった。 国際学校では教育言語としていずれも英語を採用し、その上に、程度の差はあるが現地の言葉すなわち日本語を課している場合が多く、子供たちにとって、学校教育をとおして母国の言語・文化を学ぶ機会はほとんどない。子供がそれぞれの母国文化につながるアイデンティティをもっているとは必ずしもいえないが、それは各家庭の問題とし、学校としては宗教的世界観、あるいは世界的視野をもって教育することを目標としている。調査対象とした国際学校のなかでは、西町インターナショナル・スクールが、「国際的視野をもった日本人」の教育を強く打ち出しているという点において他と異なる特徴を示している。 さらに、本年度は研究の最終年度にあたるため、従来調査した外国人学校についても、再訪し、最近の状況を把握した。これら全体をとおして、在日外国人学校・国際学校における教育を総括的に考察し、これをもとに海外子女教育の将来のあり方を検討するための一助とした。
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