1991 Fiscal Year Annual Research Report
個別・固性化教育(オ-プン・スク-ル)の研究ー現状と課題,その比較実証的研究ー
Project/Area Number |
03610140
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
武藤 文夫 立教大学, 文学部, 教授 (20103898)
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Keywords | オ-プン・スク-ル / オ-プン・スペ-ス / 個別・個性化 / 地域 / 父母・教師・児童の意欲 / 学校建築 / カリキュラム |
Research Abstract |
個別・個性化教育は全国的な広がりをもって、オ-プン・スク-ルの名のもとに取り組まれはじめている。日本において比較的早い時期から取り組まれ継続的に研究を進めている愛知県の緒川小や岐阜県の池田小公立学校にみられる教員の異動で初期成果をさらに発展させることができないでいる学校、オ-プン・スペ-スを取り入れれば建築費補助が多くなるという理由でのあき教室の改築や新築の学校、とそのあり方は様々であることが調査により明らかになった。 加えて、(1)学校建築の規模と様式(2)カリキュラムの特質と創意工夫(3)授業・学習の具体的実践、の三者が密接なつながりをもち、各学校の個別・個性化教育の質を規定している事実も認められた。 その中で一番大きな要素は教員がどう取り組む姿勢をもっているか、である。意識(意欲)調査に関しては来年度のアンケ-ト調査でより詳細な把握をする予定であるが、今回のおおまかな聞き取りの結果では、同一地域に同様な考え方のオ-プン・スペ-スの学校があることにより、教員の異動等によっても途切れることなくカリキュラム運営が可能になることが多くあげられていた。事実福島県の調査では、一地区10校のすべてがオ-プン・スペ-スをもち、積極的かつ多様な取り組みを展開していた。 学校建築によるオ-プン・スク-ル化は予想を上まわるものがあり、今後更にすすむものと思われる。しかし、単なるスペ-スとして終わらせることなく真に子どもを中心にすえ、子どもの育つ力を助成する授業を考えるための方策を更に探ることが肝要である。
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