1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03610153
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
嶋 陸奥彦 広島大学, 総合科学部, 教授 (30115406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 繁治 国立民族学博物館, 教授 (40026042)
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Keywords | 韓国 / 親族 / 族譜 / 氏族制度 / データベース / 社会史 |
Research Abstract |
氏族の系譜の記録である族譜を資料とし、その記録の分析を通して族譜編纂の状況を復元しつつ、氏族制度の整備過程を検討する。そのための基礎作業として、族譜のデータ・ベース化およびその分析プログラム開発が本研究の主たる作業である。栄州徐氏の族譜を用いて、本年度は以下の作業を行なった。 (1)前年度のデータ・ベース化作業から漏れていたデータ約1000件の情報を追加し、これと平成3年度までに作成したデータを合わせて約40000件のデータ・ベースを作成した。 (2)(1)のデータ・ベースに対して系譜復元プログラムをかけ、入力ミスを検査した。 (3)(2)に基づいてデータの校正作業を行なった。(2)と(3)の作業はデータ修正が完成するまで繰り返し行なうものである。 (4)干支で記録された生年・没年を西暦に換算し、あるいは生年・没年の記事のないデータについてそれを推定するプログラムの改良を行なった。 (5)(1)のデータ・ベースの一部、約10000件のデータについて、墓地の同定作業をおこない、その情報を追加した。 (6)(5)を利用して移住過程復元のために、墓地の所在地を地図にプロットする方法を検討した。 (7)社会史的視点から父系制氏族制度の歴史的展開過程に関する検討を行なった。これらの作業のうち、(1)(3)(5)(7)は広島大学において、また(2)(4)(6)は国立民族学博物館で行なった。(1)と(5)の作業は作業補佐員を約500時間の雇用して行なった。 (2)(3)(5)の作業に予想より大幅に時間がかかったため、氏族員の人口推移のシミュレーションと移住過程の復元、および移住過程と族譜への収録状況の比較から族譜に収録される系譜の意味を解釈する作業は、年度内に完成するにいたらなかった。
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[Publications] 嶋 陸奥彦: "大丘戸籍にみる朝鮮後期の家族構造の変化" 朝鮮学報. 144. 51-88 (1992)
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[Publications] 嶋 陸奥彦: "韓国社会:伝統の形成とそのトランスフォーメーション" 民博通信. 56. 35-40 (1992)
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[Publications] 嶋 陸奥彦: "族譜 -歴史人類学的展望-" 杉山 晃一, 桜井 哲男 編 韓国社会の文化人類学的研究. 39-54 (1990)
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[Publications] SHIMA, Mutsuhiko: "In Quest of Social Recognition: A Retrospective View on the Development of Korean Lineage Organization." Harvard Journal of Asiatic Studies. 50. 87-129 (1990)
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[Publications] SHIMA, Mutsuhiko: "Computer Analysis of Genealogies: An Interim Report" Korean Studies, Its Tasks & Perspectives. 2. 639-654 (1988)
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[Publications] SUGITA, Shigeharu: "A Color Image Database for an Ethnology Museum" K.G.Saur (ed.) Computers in the Humanities and the Social Sciences. 53-60 (1991)